スポーツドキュメンタリーの鑑賞:スポーツ社会専攻企画

Posted on 2016.07.25

梅雨も明け、京都に暑い夏が訪れました。この時期、
産業社会学部は定期試験を前に賑わいを増し、新入
生たちも初めての試験を控えて緊張した面持ちをみ
せはじめます。
今回は、こうした1回生に向けておこなったスポーツ
社会専攻の企画をご紹介します。スポーツ社会専攻
では、スポーツの意義や役割を社会や人々の人生と
の関わりから理解し、そこに見られる問題を解決する
という本専攻の特色を実感してもらおうと、さまざま
なプログラムを提供しています。その一つとして、例
年、基礎演習4クラスでおこなっているのが、スポーツ
ドキュメンタリーの鑑賞会です。
今年は、6月2日(木)に以学館1号ホールで、2本の映
像を鑑賞しました。これらは、2020年東京オリンピッ
ク・パラリンピック大会の招致運動がなぜ成功したの
か、またこのメガスポーツイベントはどのように日本
社会を開発し、いかなる問題を生じさせるのかという
テーマを扱うものであり、オリンピック・パラリンピッ
クの光と影を見事に映し出しています。こうした対照
的な内容を選んだ背景には、学生たちにスポーツを多
角的に捉える力を身につけてもらいたい、という私た
ち教員の想いがあります。



ドキュメンタリー映像を終えて、学生からは「このビ
デオを観るまで日本で2020年に開かれる東京オリンピッ
クに、大賛成でした。オリンピックを自国で開催する
ことで、世界の1番を生で観ることができる、経済も発
展する、としか考えていませんでした。でも、会場作
りは、お金もかかりますし、そこに住んでいる人びと
の撤去、自然を破壊することまでにもなってしまいま
す。私はスポーツを観戦することは大好きです。しか
し、ここまで犠牲を出してまで自国でオリンピックを
開催するべきなのか、と疑問に思い始めました」、ま
た「オリンピックは、私たち人間に勇気や感動、元気
をあたえてくれるものですが、それによって生活が大
きく変わってしまう人間がいることを私たちは理解し、
その問題について考えなければならないと思いました」
などの感想が寄せられました。
こうした問題意識や学習意欲が生じることは、学生の
主体的な学びを促進する重要なきっかけであり、後期
セメスターも学生たちの知的好奇心を刺激する企画を
おこなっていきます。

文責:スポーツ社会専攻 松島剛史 准教授

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