産業社学部のグローバルなメディアの学び
アジア太平洋地域の平和・安定をメディアと絡めて考える
パシフィック・フォーラム CSIS 巡回セミナー開催

Posted on 2016.09.30

2016年7月1日、メディア社会専攻企画として「アジア太平洋
の平和・安定をメディアと絡めて考える」と題した、パネルセ
ミナーが開催されました。
この企画は、米ワシントンDCに拠点を置く超党派のシンクタ
ンクである戦略問題国際研究所下のパシフィック・フォーラム
(The Pacific Forum, 本部ハワイ州ホノルル)が、立命館大学
産業社会学部とパシフィック・フォーラム CSISとの共催、およ
び駐大阪・神戸アメリカ総領事館の後援開催として行われたもの
です。会場の創思館会場には、産業社会学部の学生ら60名が集ま
りました。
フォーラムの冒頭、有賀郁敏 産業社会学部長からフォーラム
参加者に対し、ノーベル経済学賞を受けたアマルティア・セン教
授の業績を紹介しながら、「グローバルな社会的課題をしっかり
見据え、考える機会として欲しい」とあいさつがありました。



この後、パシフィック・フォーラムのブラッド・グロッサーマン
事務局長の司会でフォーラムが開催されました。
登壇したのは、イー・シンワ教授(韓国・高麗大学校 政治・
国際関係学部)、佐藤 洋一郎教授(立命館アジア太平洋大学)、
そしてグラント・ニューシャム上席研究員(日本戦略研究フォー
ラム)です。 
イー教授からは、韓国からみた東アジアの安全保障および地域
の安定についてコメントがなされ、その中で韓国におけるこれ
に関するメディア報道についての言及がなされました。
佐藤教授は、アジア太平洋地域をみる時、海洋の安全保障の視
点からみることの必要性を強調していました。
グラント・ニューシャム 日本戦略研究フォーラム上席研究員
からは、メディアの中で描かれている平和・安全保障のイメー
ジについて広い視野から読み解くべきとの発言がありました。



会場からは、昨年日本国内で集中的に議論が展開された集団的
安全保障にかかわる見方、考え方にかかわる質問が各パネリス
トに対して投げかけられたほか、東アジアで、特に日韓両国の
メディア報道を通じて伝えられるアジアの安全保障および二国
間関係にかかわる視点の違いを国際メディア比較の観点から鋭
く問いかけるものもあり、産業社会学部学生の社会的な課題に
向けた鋭い眼差しが際立っていました。



アジアの安定を考える際、海外から見る視点と、国内から見る
視点には多用な射程があり、アジア太平洋地域の平和・安定を、
社会的な課題として学生たちの身近で考えるよい機会となりま
した。このパネルは日英同時通訳付で実施されたことから、
フォーラムに参加した産業社会学部の1回生からは、国際的な
会議にでも参加しているような感覚があり、知的にも大変刺激
を受けたとのコメントもありました。

文責:Ben

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