先日10月25日、以学館1階ラウンジ前にて、産業社会学会
アドバンストセミナーが開催されました。今回のアドバン
ストセミナーでは、私たち「時は今だプロジェクト」が、
「小水力発電所再稼働への活動と感じた地域の方々の温か
さ」というテーマで発表しました。
(2016年10月25日アドバンストセミナーでの発表風景)
「時は今だプロジェクト」は、2011年3月11日の福島原子力
発電事故をきっかけに、原子力発電のリスクと、それに代替
するエネルギーとして小水力発電に着目した教員・学生が集
まり、発足しました。「エネルギーの地産地消」を目指し、
2011年8月より継続して活動を行っています。
私たちは岐阜県大垣市上石津町にある時地区をフィールドと
して活動しています。ここには、大正から昭和にかけて稼働
していた小水力発電のプラントが残されており、そのプラン
トを再稼働させることを一つの目標として掲げています。
(大正11年竣工当時の小水力発電所の風景)
(小水力発電所建屋内部の発電機)
最終目標は小水力発電所を再稼働させることにありますが、
それと同時に、地域の方々とのつながりを重視しながら、時
地区のコミュニティ再生に向けた取り組みも行っています。
昨年、2015年度には、計4回に渡るワークショップを開催し、
「時地区の10年後のビジョン」について地域の方々と意見交
換を行いました。
ワークショップには、小学生や高校生、大学生などの若い世
代からお年寄りまで、多くの方々に集まっていただき、世代・
性別を超えた話し合いが行われました。「ずっと住み続けら
れる地域」をビジョンに掲げ、①暮らしやすい地域づくり、
②時地区のファンづくり、③自然・文化を守り、伝承する取
り組み、この3つを将来計画の柱とし、活動していくことに合
意しました。そして、5年の歳月を経て、「小水力発電所の再
稼働」も時地区の将来計画の1つとして、組み込まれることに
なりました。
他にも、グリーンツーリズムや伝統のお祭りへの参加、発電
所の測量調査などの活動を行ってきました。これらの活動が
地域の方々とのつながりを強め、私たち自身の活動の幅も広
がっています。
(時地区の10年後のビジョン策定ワークショップの風景)
今回のアドバンストセミナーでは、プロジェクトの発足やこ
れまでの活動内容など、「時地区の未来の在り方」を模索し、
地域の方々と共に歩んできた私たちの姿を、発表させていた
だきました。
発表の終わりには、講評の山口先生から「小水力発電所の
再稼働が、地域の魅力作りやコミュニティ再生(移住者促進)
にどのように繋がっているのか?」という質問をいただきま
した。この質問を受け、「再稼働に向けた取り組みと地域づ
くり、両方を並行して行う必要がある」という認識はあった
ものの、その2つの関連性について考えが十分ではなかったと、
改めて痛感いたしました。アドバンストセミナーでの発表後、
私たちは、この問いに関して個々の意見を出し合い、共有し
深め合っています。今後、出場を予定してあるゼミナール大
会では、私たちなりの答えを皆さんにお伝えできればと考え
ています。
文責:時は今だプロジェクト
「時は今だプロジェクト」がアドバンストセミナーを開催
Posted on 2016.11.09