広告表現論の特別講義に「くまモン」が登場

Posted on 2016.11.14

11月2日に行なわれた広告表現論の講義に、ゲストスピーカー
として熊本県庁で広報を担当されている島添様と「くまモン」
にお越しいただきました。



近年インターンネットなどの新しいメディアの出現で、TVや
雑誌などの旧来の広告メディアの効果は弱まっているともいわ
れています。TV番組は、HDDレコーダーに録画し、TVC
Mをスキップして見る視聴者も多く見られます。そのようなな
か、消費者が楽しみながら広告に触れることができるものとし
て、スポーツやアニメ、キャラクターなどが広告の世界でも注
目を集めています。
特に都道府県や市区町村などの地方公共団体が作り出す「ゆる
キャラ」は一つのブームとなることさえある重要な広告表現と
もいえます。それら「ゆるキャラ」ブームを牽引したともいえ
るのが、最も知名度の高い「くまモン」だと思われます。講義
では、地方公共団体がどのような意図で「ゆるキャラ」を生み
出し、広報活動に活かしているのかを、実例を交え学ぶことが
できる貴重な機会となりました。



また2016年4月には、熊本県で大きな地震が発生し、その後の
復興に関しても広報活動は大きな役割を持つものでした。講義
では、まず島添様から熊本地震の被害についてのご説明があり、
その後それらについてどのような注意を払い広報活動を行なっ
てきたか、特に「くまモン」使用には、これまで事例がないた
め、細心の注意を払わなければいけなかったとのご説明があり
ました。
その後、教室に「くまモン」が登場し、学生も少し驚きがあり
ましたが、くまモンがいったん退室したあとに、「くまモン」
という「ゆるキャラ」が生み出された経緯や、まったく知名度
のなかった県のキャラクターが全国的な人気を持つまでになっ
たいきさつ、また県が行なった施策などの紹介がありました。

特に熊本県は九州の中でも知名度が低い県であったことを過去
の調査データから説明され、その改善に取り組まなければなら
なかった経緯の説明がありました。そのために、まず「くまモ
ン」の知名度を上げるための施策として、ゲリラ的な「くまモ
ン」の出現、次にくまモンと熊本県の連動、そして熊本県の特
産物や名所のPRという段階的な施策のご説明もありました。



最後に「くまモン」が再び登場し、県のPRビデオを見た後に
「くまモン体操」を学生と一緒に踊るなど、楽しい雰囲気の学
びとなりました。日ごろ、口頭での説明に終わりがちな講義で
すが、実際に誰もが知っている「ゆるキャラ」が登場し、それ
を見ながら地方公共団体の広報戦略を学ぶことのできた良い機
会となりました。



文責:メディア社会専攻 小泉秀昭教授


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