専門特殊講義~近藤寛子選手・日野未奈子さんを迎えて~

Posted on 2016.12.05

2016年11月21日(月)、衣笠キャンパス以学館4号教室において、
専門特殊講義I(SA)の講義が行われました。この授業科目は、
「読売スポーツ社会学講座~スポーツ報道の舞台裏:2016年ブラ
ジル・リオデジャネイロ夏季オリンピック・パラリンピック大会
を題材に~」という主テーマで開講されているもので、毎回の講
義にリオデジャネイロ夏季オリンピック・パラリンピックに関連
したさまざまな立場・所属の方々に特別ゲスト講師としてお話し
していただいています。
第9回となる今回は、2016年ブラジル・リオデジャネイロ夏季
パラリンピック大会、視覚障害者女子マラソン競技において5位
入賞を果たされました近藤寛子選手(滋賀銀行)と、その伴走者
である日野未奈子さん(立命館大学産業社会学部3回生)のお二
人をお招きして講義を行っていただきました。
講義はテレビで放送された近藤選手のドキュメンタリー(約20分)
の視聴から始まり、その後、日野さんによる現地の様子の解説と
近藤選手との体験談形式で進行していきました。



現地でのエピソードとして、経験豊富なほかのパラアスリートと
違って、初めての国際大会、海外遠征となったので移動で苦労し
たということや、選手とその関係者・スタッフしか入ることので
きない選手村での生活について、写真を交えながらお話ししてい
ただきました。また、立命館大学にて行われた特別壮行会の際に
本学部から贈呈した、応援メッセージ入りの「日の丸」を選手村
の自室で飾っていたというエピソードもお話ししてくれました。
(特別壮行会の様子については、
『リオパラリンピック特別壮行会を終えて』を閲覧ください)

続いて、レース当日については、近藤選手は気温によってチャ
ンスがあるかどうかが決まるといったことや、日野さんは伴走者
が20kmを境に交代するといった、競技スポーツ的な側面もお話し
いただきました。



最後に、日野さんは、「卒業しても障害者スポーツを支える若
き担い手として活動したい」という抱負を語ってくれました。近
藤選手は「2020東京オリンピック・パラリンピック大会でのパラ
スポーツはどうあるべきか」という問いかけに対して、「企業か
らのバックアップが少ないという現状から、練習環境として、場
所の確保というハード面でも、伴走者の確保というソフト面でも
辛いものがある。両面からの練習環境づくりが必須である」と答
えておられました。



また、自身がバスの乗降で立命館大学生に助けてもらった経験
から、「障害者を見かけたら助けてあげてほしい、それが障害者
とのふれあいの第一歩となるから」と、受講生に対しても熱いメッ
セージを送ってくれました。
大会当時のリオさながらの熱気を感じさせるお二人の講義に、
受講生も終始、スクリーンのスライドや配布資料、お二人の表情、
と目まぐるしく視線を移しながらメモを取り、講義にしっかりと
耳を傾けて受講している姿が見られました。

文責:社会学研究科 応用社会学専攻
   博士課程前期課程1回生 三谷舜(本講義TA)

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