スポーツ社会専攻基礎演習4クラス合同の「国際平和ミュージアム見学会」

Posted on 2017.05.31

スポーツ社会専攻の基礎演習4クラスは、4月27日(木)の
サブゼミの時間を活用し、昨年に引き続き「立命館大学国
際平和ミュージアム」(以下、平和ミュージアム)の共同
見学会を実施しました。平和ミュージアムは、1992年の開
設以来25年にわたり、戦争と平和に関する資料を収集・保
存・展示をはじめ、紛争解決および平和創造に向けた教育
・研究・普及活動を行っている世界で唯一の「大学立の平
和博物館」です。
 戦後70年を経て、平和と民主主義を巡る世界の情勢が大
きく変化する中で、大学を取り巻く環境や学生実態も従来
の状況から変化を見せています。平和教育の受け手である
学生が、「戦争を知らない世代」から「戦争体験世代をも
知らない世代」へと移行している現在、歴史に対する知識
や理解力の著しい減退が危惧されています。
こうしたなか、スポーツ社会専攻では2011年から基礎演習
4クラスによる合同見学を実施しています。今回の見学で
は、まずクラス毎に平和ミュージアム設立の意義と一五年
戦争などに関する簡単な講義がなされました。続いて一階
のラウンジで平和ミュージアムの展示物についての関連映
像を視聴し、地下一階と一階・二階の展示物を約70分に渡
って見学しました。今回の見学会において何よりも意義深
かった点は、実際に戦争を体験された、10名を超えるボラ
ンティアの方々から戦争の悲惨さやその時の状況について
の説明を受ける事ができた点に尽きます。学生は熱心に質
問を行い、それに対しボランティアの方々が当時の戦争に
ついて学生達に熱く語り掛ける風景も見られました。また、
基礎演習を担当する4名の教員も、学生と一緒に見学を行
いつつ、スポーツは戦争から多大な影響を受けてきたとい
う歴史的背景や、戦時中の国民意識の統制・健全な身体の
生成・国威発揚などにスポーツが利用され、戦争という非
常事態において多様な変容を遂げてきた事実など、「スポ
ーツと戦争」に関する説明を行いました。







見学に参加した学生からは、戦争とスポーツとの関係性に
ついての知識を深めることができたという感想をはじめ、
普段なかなか知ることのできない、日本が参加した戦争の
歴史・実情・背景を学び、今後の「平和な世界」を実現す
るために私達に何ができるのかを改めて考えさせられる機
会となったという声が寄せられました。見学に参加したス
ポーツ社会専攻1回生の橋本 椋さんは「一五年戦争はど
のような戦争であったか、なぜ起きたのか、その歴史は今
を生きる私達に何を問いかけるか、その問いかけを通して、
私達がどのように平和な社会を築くことができるかを意識
して、歴史に目を向けて行動したい」と見学から感じた感
想を述べてくれました。
 スポーツ社会専攻では今後も「平和と民主主義」という、
当大学の教学理念に基づく教育活動の発信をさらに強める
と同時に、グローバル化した時代に相応しい平和主義の理
念を広める、さまざまな国際化活動を展開していく方針で
す。

文責: スポーツ社会専攻 権 学俊教授

このページの上部へ