ウィルチェアーラグビーサポートプロジェクトの紹介

Posted on 2017.08.22

産業社会学部は、現代社会の諸課題や問題を理解し、
解決することをポリシーとしており、さまざまなプ
ロジェクト型学修が展開しています。今年から新た
に立ちあがったのが本プロジェクトであり、これは
余暇・スポーツの側面から共生社会やインクルーシ
ブ社会の在り方を問おうと、学生が主体となって9月
23・24日に第19回ウィルチェアーラグビー日本選手
権大会予選リーグAを立命館大学大阪いばらきキャン
パスで開催するものです。
ウィルチェアーラグビーとは四肢に障害を持つ人の
みがプレーでき、障害の重さによって点数分けが行
われることで男女や障害の度合いに関わらず参加で
きるスポーツであり、パラリンピックの公式種目に
もなっています。日本代表チームは、2016年のリオ
パラリンピックで銅メダルを獲得し、2020年に向け
て注目されています。競技名にはラグビーとありま
すが、バスケットボールやバレーボールなどの要素
も含まれており、バスケットボールと同じ大きさの
コートで、1チーム4人で行われます。
 


今回、9月の本大会の準備として、7月1・2日にウィ
ルチェアーラグビーのチームを招き、プレイベント
を企画運営しました。プレイベントでは総勢50人近
くの学生が、競技用車いすの搬入、案内、TO(Table
 Official)などを行い、選手たちが円滑にプレー
できるようにサポートしました。学生の多くはウィ
ルチェアーラグビーを見るのは初めてで、車いす同
士の激しいぶつかり合い、選手の華麗な車いす捌き
やボール捌きに圧倒されていました。また練習試合
の後には、選手、教員、学生で体育館フロアのタイ
ヤ痕や松ヤニの掃除をしました。四肢に障害を持つ
選手たちは握力が弱いためタイヤを扱いやすいよう
に松ヤニを使用しますが、松ヤニはどうしても床に
付着してしまいます。また華麗で力強い車いす捌き
は、フロアにタイヤ痕を残します。車いすでの競技
を行えば体育館は汚れてしまうので、掃除をしなけ
ればなりません。ここでは時間と体力が求められる
作業であったと同時に、ボランティアの重要性や障
害者スポーツを支える環境の問題を強く感じました。



他にもさまざまな課題が見つかりました。例えば、
私たち学生がウィルチェアーラグビー、障害者ス
ポーツについてあまり知識が無かったために、選
手との距離を感じたことが挙げられます。「もっ
と理解を深めれば選手たちにより良いサポートを
することができるのではないか」という意見がプ
レイベント後の反省会で上がり、後日障害者スポ
ーツについて皆で学ぶ機会を設けました。
本大会では、試合だけでなくウィルチェアーラグ
ビーの体験会やトークショーなど、ウィルチェア
ーラグビーをはじめとした障害者スポーツを楽し
みながら体験し、理解を深めていく地域交流イベ
ントも企画しています。また大会後には、そうし
た情報についてラジオを通して広く社会に発信す
る活動も行われます。今回のプレイベントで学ん
だことを生かし、障害者スポーツの発展に貢献で
きるよう準備を進めていきたいと思います。
 


文責
スポーツ社会専攻3回生 大川麗
スポーツ社会専攻 松島剛史 准教授

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