RINC会員企業・自治体×立命館
大学と共に実社会のリアルな課題解決にトライする
企業・自治体等の会員コミュニティ「RINC」の交流イベント
「RINC MIX」定期開催中
OUTLINE
2025年6日6日夕方。大阪いばらきキャンパスH棟4階の社会共創拠点、Co-Creation Hub with Ritsumeikanで、ネットワークイベント「RINC MIX」が開催されました。2024年10月の第1回から数えて7回目の開催です。
「RINC MIX」は、企業や自治体が抱える課題を学生や教員と解決するための会員コミュニティ「RINC」のイベントです。学生、教職員、RINC会員企業・自治体と、会員を通して参加を希望する企業・自治体が参加し、カジュアルな雰囲気の中で、ドリンクや軽食をとりながらの自由なコミュニケーションや新たな出会いの場となっています。
同時に、企業や自治体のプロジェクト紹介、教員の活動紹介、学生団体の活動紹介、さらには立命館小学校の取り組みに関するピッチも行われ、立命館大学だけでなく、学園全体で社会との共創を広げていこうという機運の高まりも感じられるイベントとなりました。
EPISODE
EPISODE01
学生・教職員・RINC会員同士の
ネットワークを形成する機会が
「RINC MIX」

RINCは、立命館大学が学園ビジョンR2030の中で目標に掲げる「創発性人材」を育成する一つの柱としてスタートしました。創発性人材とは、既存の知識や枠にとらわれず、自ら課題を発見し、それを解決するための新しい価値を創造できる人材のこと。立命館大学副学長で社会共創推進本部長の三宅雅人教授は「そんな学生を育成するフィールドに、実社会で経済活動をする企業や自治体にも加わってもらおうと考えて作ったのがRINCです」と、発足の背景を話します。
2024年10月に始まったRINCは、企業や自治体が抱える実社会のリアルな課題について、立命館大学の教育・研究リソースを活用し、学生や教員と共に解決を目指す会員制コミュニティ。従来型の共同研究なら、企業は、すでに課題やゴールが明確な研究を個々の研究室へ直接相談するといった形でしたが、RINCでは「まだ明確になっていない課題であっても、日常業務の中で誰かが課題だと感じられることがあれば、気軽に大学に持ち込んでくださいとお伝えしています。社会共創推進本部の教員と職員が、学内のすべてのリソースからマッチングして、一緒に新しいプロジェクトを立ち上げ、解決に向けた一歩を踏み出します」(三宅教授)。「学内リソース」とは、教員や研究室だけではありません。「挑戦してみたい」と応募したSEEDS MEMBERの学生、正課の授業、ゼミ、部活動、サークルの括りにとらわれずプロジェクトごとに集まってきた学生たちも含まれます。


現在、RINC会員として登録している企業・自治体は25社。企業規模も、抱える課題の大小もさまざまです。すでに完了したいくつかのプロジェクトは企業の課題解決に貢献しており、終了済みや現在進行中のプロジェクトも合わせると20件以上あります。RINC会員になった企業には、自社の課題解決だけでなく、OIC H棟4階の社会共創拠点Co-Creation Hub with Ritsumeikanの使用権、H棟内のいくつかの施設の利用権、学内イベント・研究会などの開催情報などを得られるほか、自社の企業活動を学内サイネージなどで周知することもできます。
そして、RINC会員としての大きなメリットの一つが、学生や教職員との交流の機会であり、RINC会員企業相互のネットワークを形成する機会である「RINC MIX」への参加です。
EPISODE02
RINC MIXのコンセプトを
立命館全体に広げていきたい

この日のRINC MIXには、会員の企業や自治体だけでなく、会員から話を聞いて関心を持った企業や自治体も特別枠で参加。SEEDS MEMBERの学生も加えて参加者は80名以上にのぼりました。ランダムに配置されたテーブルを囲んで、名刺交換する人、教員や学生と話す人、プロジェクトの進捗について三宅教授や社会共創推進本部の職員と話す人など、それぞれに活発なコミュニケーションが行われています。
三宅教授の開会挨拶に続いて乾杯の音頭をとったのは、初参加の立命館小学校丸岡教諭です。立命館大学の学生が、Adobe Expressを用いた動画制作の特別授業を小学校で行ったことで始まったつながりから参加しました。
飲み物と軽食を手に歓談中の参加者を前に、学生団体「メレオン」のピッチが始まりました。カナデビア株式会社とコラボした宇宙ビジネスワークショップの紹介、新しいプロジェクトなどがテンポよく行われました。その後、企業7社から、進行中のプロジェクト紹介するピッチがありました。課題のあり方、連携の相手、連携の形、それぞれさまざまなプロジェクトです。すでに複数のプロジェクトを通して課題解決を行った上、さらに新規プロジェクトも進行中という企業もありました。専門研究員による最新研究1件の紹介、学生団体2団体の活動紹介、立命館小学校が進める新しい学びの場「Rits Learning Community」や立命館大学の研究部紹介の紹介もあり、参加者は、歓談しながら、関心のある内容のピッチには耳を傾けるなど、思い思いに過ごしている様子が印象的でした。

このようなRINC MIXの雰囲気について、三宅教授は「最初は何か仕掛けが必要かなと思っていたのですが、参加者同士のお話が盛り上がったり、RINC会員から『こんなことをやってみたいから話をさせてほしい』という声があったり、学生からも『サークルの紹介をさせてほしい』『起業したいので事業内容を企業の皆さんに聞いてほしい』との要望があったりと、自然に内容が充実してきています。そして、交流の場としての価値を認めていただいています。特に、将来の経営者に異業種、異分野との交流経験が必要だと考えておられる中小企業の方から、この場に対して高い評価をいただいています。また、企業の方は、想像していた以上に、学生と直接話す場ができたことを喜んでくだっています。今の若者の感覚や考え方を知りたいというニーズに応えつつ、学生の成長にもつなげることができていると思います」と手応えを感じています。
楽しい交流の時間はあっという間に終わり、お開きの時間となりました。終わりの挨拶は、スポーツ健康科学部、学園広報室室長の種子田穣教授でした。「スタートからわずか8カ月でこんなに和がひろがっていっているのは素晴らしいことだと感じています。このRINC MIXのコンセプトを立命館全体に広げていきたいと思います。大学には「場」があります。その「場」で出会い、顔を合わせることで生まれたパッションを、もっともっと広げていきたいと思います」。
さまざまな人と人との交流から生まれる熱い思いや言葉が行き交ったRINC MIX、今後も定期的に開催していきます。


REFLECTION
プロジェクトを終えて、関わった方々の
振り返りをお聞きしました
-
立命館大学副学長 社会共創推進本部本部長
三宅 雅人教授
RINC MIXは、さまざまなバックグラウンドを持つ人々が混ざり合い、互いに刺激を受けながら、新しい展開が生まれ、共創がさらなるステージへと展開する、そんな場を提供したいとの思いから生まれました。参加企業の業種や規模は多岐にわたり、本学には16学部があるため、学生の所属も実に多様です。その組み合わせは無限の可能性を秘めており、学部生だけでなく、起業した学生、大学院に進学した学生、新しいことに挑戦したい学生が、企業や自治体などの社会人とつながることで、回を重ねるごとに多くのプロジェクトが生まれています。こうした混ざり合いからの新たな展開は、RINC MIXを立ち上げた当初の思いが着実に形になっていることを実感させてくれます。今回は、立命館小学校の先生にもご参加いただきました。大学生・大学院生と小学校の先生、企業や自治体の方々が出会う場は非常に貴重であり、これは小学校から大学までの一貫教育を実施している立命館ならではの強みでもあります。この交流をきっかけに、また新たな可能性が広がっていくことを期待しています。
VOICE
イベント参加者の声
-
立命館小学校 教諭
丸岡 慎弥先生
今回は「Rits Learning Community」の紹介をさせていただけるということで参加しました。ピッチの間、耳を傾けてくださる方と私の間で生まれる熱もあれば、熱心に会話をされている方々同士の熱もあって、この場のあちこちで何かが起こっているという新鮮な感覚をおぼえました。
立命館小学校は、学びの対象を、児童だけではなく教員、保護者、地域の方、企業の方に広げ、学びのハブのような存在になりたいと考えています。今日お会いした1人でも多くの方に小学校へ来ていただき、一緒に学びを作る関係性が作れるといいなと思います。またぜひ来て、多種多様な方々と出会ったり、ピッチを聞かせていただいたりしたいと思います。
-
土手 学さん(経営学部 1回生)
stoRiという学生団体に所属しています。今日は先輩から依頼され、緊張しながらピッチを行いました。もっとお堅い雰囲気かと思って準備していたのですが、予想以上に自分の思いを強く持った闘志あふれる方々が集まっていたことに感銘を受けたので、急遽アドリブをたくさん入れ、自分の熱い思いが伝わるようにしました。皆さんの情熱に圧倒されたのだと思います。
将来は起業を考えています。日本の常識を根底から覆すような、これまでになかったサービスを提供したいと思います。次回は、その事業内容について、大人たちをうならせるようなプレゼンを行い、反応してくださった方々と、ぜひ思いをぶつけ合いたいと思います。
- 共催
-
キーワード
- #RINC
- #RINC MIX
- #SEEDS Member
- #共創の種
- #人脈形成