立命館大学人文科学研究所は、グローバリズムが、政治や経済、文化や社会の諸領域に生み出している諸問題を理論的に解明し続けています。

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2014年度 研究会一覧

グローバル化とアジアの観光

「グローバル化とアジアの観光」研究会
開催日時 2015年6月14日(日)15:00~18:00 衣笠キャンパス 学而館 第3教室
報告者・報告テーマ 報告
(1)韓 準祐氏(立命館大学文学部)
「由布院の事例からみる観光まちづくり研究の再検討―擁護論と批判論を越えて」

【概要】  観光まちづくりの成功物語が広がるなか、成功事例のモデル化が進み、観光まちづくりを推進する言説も強まった。一方、国の政策としての観光まちづくりに対する批判的考察も続けられてきた。しかし、これらの擁護論と批判論ともいえる捉え方の両極化が、地域住民の多様な実践と声を拾い上げられないという観光まちづくり論の課題を生み出している。今回の報告では、観光まちづくりの成功事例としてモデル化された由布院を取り上げ、地域内外の多様なアクターの声と実践を掬い上げ考察することで、観光まちづくり論を再検討する。由布院の事例を再解釈することで、「成功物語」や「頭ごなしの批判」からは掬い取られず、十分理解されない出来事が、由布院の現在をかたちづくる上で重要な意味を有していることを明らかにする。具体的には、まちづくりにかかわった人々の多様な声について、関連する書籍や雑誌の分析とともに、筆者が2007年から2013年にかけて行った聞き取りを主とする現地調査の結果を参照することで、単純な「成功物語」とは異なる由布院の観光まちづくりの過程について詳細に考察することとしたい。このような作業を通じて、観光まちづくりを単純な擁護とも批判とも異なる視点から検討することを試みたい。


(2)薬師寺浩之氏(奈良県立大学地域創造学部)
「カンボジアにおける孤児院ボランティアツーリズムの現状と倫理的諸問題」

【概要】  近年の世界的なボランティアツーリズムの人気に伴い、カンボジアの孤児院においても海外からのボランティアツーリストを積極的に受け入れる動きが見られる。開発途上国での孤児院ボランティアツーリズムは、恵まれない孤児に対して貢献ができる上、一般的な観光旅行では不可能な国の本当の姿を知ることができる真面目で「倫理的な」ツーリズムであることを謳い文句に、視野の拡大を通して自己の成長を期待する先進国の大学学部生を中心とした若年層に人気がある。一方で、一部の国際人権擁護団体や研究者は、それは孤児の商品化や新植民地主義を助長する先進諸国のエゴイズムによって成り立っている「非倫理的な」ツーリズムであると主張している。このように、孤児院ボランティアツーリズムは倫理的なジレンマを孕んでいるものの、孤児、ボランティアツーリスト、孤児院の管理者およびボランティアツーリストを孤児院に送る旅行業者という様々なアクターが介在する孤児院ボランティアツーリズムの空間がどのように成り立っているのか、またどのような様相を帯びているのかについては十分に理解されていないのが現実である。  そこで本発表では、2014年12月に行ったカンボジア・シェムリアップの孤児院でのフィールドワークをもとに、孤児院ボランティアツーリズムの現状を紹介する。さらに、孤児院ボランティアツーリズムの倫理的諸問題を考察し、ボランティアツーリズムという国際援助の在り方についても考える。

ワークショップ  「ダークツーリズムという問い」
開催日時 2014年11月16日(日)13:00~18:30 衣笠キャンパス 清心館533(3F)
報告者・報告テーマ 1.主催者挨拶+重点プロジェクトの位置づけ:藤巻 正己(立命館大学文学部)

2.コーディネーター趣旨説明「ダークツーリズムという問い」
  遠藤 英樹(立命館大学文学部)

3.報告
(1)市野澤 潤平(宮城学院女子大学)
ダークツーリズムと観光経験――被災地観光をめぐる一考察

(2)山口 誠(関西大学社会学部)
戦跡の集合的想像力

(3)岡本 亮輔(東京大学死生学・応用倫理センター)
聖地巡礼における死の表象――体験型ダークツーリズムの可能性

(4)De Antoni Andrea(立命館大学国際関係学部)
言説としてのダークネス――ダークツーリズムをめぐる概念化・権力・批判

4.ディスカッサントを含めた総合討論

報告要旨

開催報告【京都新聞(2014.12.5)】

ディスカッサント 橋本 和也(京都文教大学総合社会学部)
須藤 廣(法政大学大学院政策創造研究科)
神田 孝治(和歌山大学観光学部)
福間 良明(立命館大学産業社会学部)
Kannapa Pongponrat(Thammasart University)
開催日時 2014年10月4日(土)15:00~18:00 第3研究会室(学而館2F)
報告者(所属)・
テーマ
薬師寺 浩之(立命館大学文学部)
海外孤児院ボランティアツアー参加者の経験と開発途上国に対する印象

古村 学(宇都宮大学国際学部)
世界自然遺産と地域社会-知床羅臼と小笠原を事例として-

報告要旨

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