Reportレポート・参加者の声

「何もない風景が私に訴える」フォト投稿 優秀賞

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「天災は忘れた頃にやってくる」寺田寅彦が『天災と日本人』で警鐘を鳴らした有名な言葉だ。
津波が町を飲み込んだ映像を見たあの日のことを忘れることはできない。
「自然災害に備えなければ」と思いながらも、どこか、ひとごとのように思ってしまう(思いたくなる)弱い心をむなしく思う。初めて福島を訪れた2017年、その時にわたしは、ひとごとから自分ごとへと少し近づいた気がした。その瞬間がこの風景である。
この草で覆われた地には、かつて家があり、町があり、多くの人が暮らしていたと聞き、目頭を押さえた。
「天災は忘れた頃にやってくる」だから、忘れなければいい。これからも、あの日を忘れず、伝え続ける。

【投稿ネーム】かずお さん
【撮影年月、撮影場所】 浪江町 2017年12月

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