Reportレポート・参加者の声

[レポート]東北を知って学んで食すオンラインの旅「0泊2時間東北食べるツアー ~生産者と語ろう~」第3回<福島県桑折町・桃>

2021年8月21日(土)、第3回目のツア―を開催しました。


ツア―の舞台は福島県桑折町(こおりまち)、テーマは「桃」。生産者のはねだ桃園3代目・羽根田幸将さん、共に働く南和希さんをゲストに迎えました。
参加者には事前に自宅に、川中島の白桃が4個・情報誌「東北食べる通信」・羽根田さんお手製の桃の絵はがき・お手紙をお届けしました。

バーチャル農園ツアー


当日は学生、校友、一般の方、あわせて23名が参加。はねだ桃園の農園ツアーから始まりました。
はねだ桃園では年間16品種もの桃を育てられています。約650本もの桃の木がある農園を散歩。
桃の育て方から桃の木の性質など、沢山の桃の木を歩き回りながら説明がありました。

また、約3年かけて育てられた桃の木から果実を収穫し、消費者のもとに販売されるまでのお話がありました。桃は木の枝を剪定方法や、土壌の整え方次第で品種ごとに味が変わり、収穫時は少しの衝撃でも傷ができやすいなど、とてもデリケートな果物。日々さまざまに成長する桃と向き合いながら、丹精を込めて桃が心地良く育つ環境づくりをされています。
image_20210821-taberu-momo01
(左)「さちあかね」の木。紙の袋を掛けて虫や菌から守る  (右)解説する羽根田幸将さん
image_20210821-taberu-momo02
(左)14年目の「はつひめ」の木。1本から約500個が果実となる(右)果実の元となる花芽。100分の1の確率で桃の果実となる

春には桃の木が一斉に花を咲かせ、あたり一面がピンク色に染まります。収穫時は品種ごとにそれぞれ約2週間かけて“桃の収穫リレー”を行います。ツア―では桃のクイズを出題しながら進め、全問正解者の1人には桃「さくら」4個を贈呈しました。
image_20210821-taberu-momo03

桃の講座

食べ頃の桃にはどのような特徴があるのか「色・大きさ、形・堅さ、毛のやわらかさ」の見極め方について解説。日に当たると実がピンクに色づく。縦に伸びる筋(縫合線)に対して大きさが左右で少し不均等であるか、形がくぼんでいないかなど、桃一筋の農家・羽根田さんならではの視点から解説がありました。
image_20210821-taberu-momo04
日が当たらない枝側の果実が、緑色からクリーム色に変化すると獲り頃

羽根田さん・南さんとのトークセッション

参加者からチャットやマイクで質問する形式で、羽根田さん・南さんのお話を伺いました。
羽根田さんは桑折町で桃を育てることについて、「桑折町は、古くから皇室に桃を献上している歴史的な町。桑折町が桃の産地であることを全国の人に知ってもらい、この産地を守ることが一つの使命だと思っている」と語りました。

東日本大震災では、原発事故による風評被害から、桃を育てていくことの責任をより強く感じたと話されました。羽根田さんは挑戦の一つとして安全品質について学び、はねだ桃園は安全品質や環境保全などを保証する国際認証「GLOBAL-G.A.P」を取得されました。
震災から10年。今感じていることとして、羽根田さんは「災害はどこでも起こり得るもの。人に寄り添う気持ちを大切に、日本を支え合う気持ちで、環境にも向き合っていきたい」というお話がありました。南さんからは生産者の一人として「桃本来の美味しさを引き出せるような育て方をしていきたい。栄養や健康の観点から食育についても発信していきたい」とお話がありました。 image_20210821-taberu-momo05羽根田さん(左)、南さん(右)

参加者の声 *一部紹介

・羽根田さんの魅力がぎっしり詰まった素敵なツア―でした。より福島が好きになりました。
・今まで食べ物を、それを作ってくださっている方を想像して食べたことがありませんでした。はねだ農園さんのお話を聴いて、生産者の方のストーリーを知ることが人々の心をつかみ、「○○さんを応援するために」「あの○○さんに育てられた食べ物が食べたい」という考えに繋がるのだと思いました。
・応援の仕方は色々あると思いました。
・現地を紹介するというオンラインツアーは時代にあったものだと実感しました。
・無理せず、色々継続していくことが大事であると感じました。

■ 関連情報 
立命館の復興支援の歩みやスペシャルムービー、立命館関係者を対象に募集した”つむぐ思い出”写真の応募作品などを掲載しています