Reportレポート・参加者の声

熊本地震の救援にフェリーで駆けつける 芋の苗植え、桃の袋付けなど 農家の復興をお手伝い

学校法人立命館では、2011年春に災害復興支援室を開設して以降、東日本大震災の復興支援をはじめ、各地で発生する災害救援活動にも取り組んでいます。2016414日以来相次いで発生している一連の平成28年熊本地震においても、 復興+R基金を原資に、名門大洋フェリーなどの協力のもと、立命館大学生を対象に参加者を募集し、熊本県阿蘇郡西原村で被災された農家の農業再開を目指し、一緒に片付けや農業作業などのボランティア活動を行いました。5月の試行を受け、6月から長期的な支援を視野に活動を進めています。

 

西原村では416日の本震で震度7を記録しました。家屋倒壊で5人の犠牲者が出るなど大きな被害が出ましたが、5月に入り同地に被災農家を支援する「西原村農業復興ボランティアセンター」が発足したことが注目を集めました。村では発災直後から「家が片付かず、農作業に手が回らない」「作付け時期に間に合わない」などの声が数多く寄せられたことを受け、通常の災害ボランティアセンターとは異なる枠組みで生活再建の支援が行われることになったのです。実際、春から夏にかけてのシーズンは田植えのほか、サツマイモや全国トップの生産量を誇るトマトなどの作付けや収穫に入る大事な時期。高齢化なども相まって、人手不足は深刻な問題となっていました。

 

512日の活動では、7人の学生がサツマイモの苗を受ける作業を実施。第2回目の645日の活動には学生17人が参加。梅雨入りということも相まって、初日は大雨のため農作業は中止となりましたが、農業復興ボランティアセンターの河井昌猛さんから同村の被災状況や今後の復興支援のあり方などについて、立命館大学の関係者が支援者となって活動する拠点の一つである南阿蘇ケアサービスにも往訪、発災以降の動きと今後の展開についてお話を伺いました。2日目には天候も回復。各班に別れ、唐芋の苗植えのほか、桃の袋付け作業、ニンニクの泥落としや皮むきなどの作業に汗を流しました。

 


センターを通じボランティアを依頼した阿蘇西農園の東田裕二さんは、「震災で桃の袋付け作業が遅れ、病気や虫食いの心配が増える時期が迫っており、ぎりぎりのタイミングだった」と安堵の表情を浮かべました。

立命館大学では、長期的な支援が求められている状況を踏まえ、今後も熊本地震における各種ボランティア活動を継続していきます。7月には雑草抜きなどに、そして季節が変わる10月には5月に植えたサツマイモの収穫に伺う約束をしています。

 現地の皆さんと記念撮影。

 移動中の船内でミーティング。


参加者の声

現地で活動することによって改めて地震の怖さを実感しました。現地はどうなっているのか。活動をする前、応募をする前にテレビのニュースも見て、いろいろな想像をしました。しかし、実際に現場を訪ねてみると、違う風景が見えてきました。深刻な人手不足を感じました。

第1回参加の学生


実際に現地に行くことで、感じること学べることは人それぞれあると思います。また、現地の方々とつながることもできます。そして、何よりも被災された方々にとって、ボランティアの方が来てくれるということが心の支えとなるのではないかと思いました。私は、今回熊本県西原村で農作業の手伝いをすることができて本当に良かったなと感じています。

第1回参加の学生


益城町の被害の大きい場所をバスで通った時は、言葉では言い表すことが難しいような大きな虚無感を感じた。メディアの報道などの写真や映像と、実際に自分の目で見る様子は大きく違いました。被害の大きさは頭では理解していたつもりでしたが、想像よりも大きな被害でした。

第2回参加の学生


支援は例えるとバトンリレーのようなものであり、私が友達につなぎ、友達から友達につながる。このように、活動をして支援が終わりではなく、学校に帰っても支援をすることは継続していて、1人でも多くの人に熊本に足を運んでもらって支援をつないでほしいです。

第2回参加の学生