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研究科長挨拶

現代社会は、地球規模において、かつ、様々な分野において解決しなければならない様々な課題に直面しています。そのなかでも資源・エネルギー問題、環境問題、食糧問題ならびに医療問題は、世界の四大問題とも言える課題ではないでしょうか。私たち人類が、より豊かな社会を希求、実現し、持続していくためには、これらの課題に果敢に挑んでいかねばなりません。これらの課題を解決するためには、工学、理学、農学、医学、薬学などの基盤となる学問に加えて、これら互いの境界から、あるいは融合することで発展してきた生命科学がさらに発展し、その発展から生まれてくる研究成果を社会実装していくことが必要です。すなわち、生命科学を構成する各分野の協奏的発展と協同が、こうした課題解決には不可欠です。

生命科学研究科の特色は、工学、理学、農学、医学、薬学を基盤とする、あるいは基盤として新たに発展した応用化学、生物工学、生命情報学、および生命医科学の4つの学問分野で構成されていることです。すなわち、上述した四大問題に対応するうえで必要となる学問領域を概ねカバーしています。生命科学研究科は、これら4つの学問分野の垣根を超えた横断的な研究ができる仕組みを取っており、こうした課題解決に向けた最先端の研究に取り組める環境にあります。

生命科学研究科では、大学院生の国際学会参加や論文の国際誌への発表などの国際的な成果発信の支援や海外研究機関におけるインターンシップ(GRGP; Global-ready Graduate Program)への参加支援を行うなど、国際的な活動をエンカレッジする独自の制度を設けております。すでに多くの学生がこれらの支援制度を利用し、その経験を研究およびキャリア形成に活かしています。本学生命科学研究科では、正規生、客員研究生など、様々なかたちで留学生を積極的に受け入れており、日本人学生と留学生がとともに研究することを通じて異文化交流を深めています。修了生の多くは、このような学びと経験を経て培った専門的能力を活かし、化学、食品、情報、医療を中心とした様々な分野において、私たちが抱えている様々な課題の解決に挑んでいます。

生命科学研究科での学びと探究は、現代社会が抱える様々な課題にチャレンジし、より豊かな社会を創出したいと望んでいる学生の皆さんの期待に十分に応えることができると自負しています。生命科学研究科において、高い専門的能力、研究の面白さ、タフネスさ、アイディアを磨く感性、そして、研究の達成感を、是非我がものとして、グローバルに活躍して頂きたいと思います。

生命科学研究科長若山 守