教員紹介

SAKURAI Ryo

環境開発クラスター

桜井 良 准教授

専門分野
野生動物管理における社会的側面(ヒューマン・ディメンション)、環境教育プログラムの評価、生物多様性保全、環境社会学、市民科学
桜井 良 准教授

プロフィール

慶應義塾大学法学部政治学科卒。ロータリー財団国際親善奨学生として米国フロリダ大学大学院に留学、修士号及び博士号(Ph. D. : Interdisciplinary Ecology)取得。
日本学術振興会特別研究員PD(横浜国立大学)、千葉大学非常勤講師、立命館大学政策科学部助教を経て2017年より立命館大学政策科学部准教授。
京都市環境審議会委員、慶應義塾大学訪問准教授、コーネル大学客員准教授、RARA(立命館先進研究アカデミー)アソシエイトフェロー。
代表的な単著書籍:『Human Dimensions of Wildlife Mangement in Japan』(Springer)、『新装版 大学教員を目指す若者へ』(日本橋出版)

研究・教育

野生動物管理や生物多様性保全、さらに環境教育に関する研究を行っています。野生動物管理に関しては、兵庫県におけるツキノワグマ保全管理に関して、栃木県では住民参加型の獣害対策事業について社会科学のアプローチで研究をしてきました。いずれの研究も県の獣害対策担当者との共同研究として行い、研究成果は両県のその後の野生動物管理施策に反映されました。これらを踏まえ、現場のニーズに合った研究を志向・実践し、社会的課題の解決を目指す新たな研究アプローチとして日本型ヒューマンディメンションを提案し、書籍等にまとめました。

また持続可能な地域社会を創成するための人材育成にも焦点を当て、環境教育に関する研究も行っています。瀬戸内海に隣接する中学校で行われている海洋学習の評価研究を行い、生徒、教職員、保護者、そして授業に携わる漁師など多様な関係者への意識調査を通して、地域の持続的な発展に寄与する環境教育の在り方を明らかにしました。また教育プログラムの改善のために、実務者と研究者が協働するアクションリサーチを行ってきました。現在は北海道の知床において、人とヒグマとの共存を目指す環境教育プログラムの成果や課題について研究をしています。

今後も野生動物管理、ヒューマンディメンション、社会心理学、生態学、コミュニケーション、環境教育、環境社会学、市民科学、政策科学など幅広い学問領域をベースに、質的調査(聞き取り、参与観察など)と量的調査(アンケートなど)を組み合わせた多様な調査手法を用い、社会の役に立つ研究をしていきたいです。

また、大学教員として教育活動にも邁進します。持続可能な地域づくりを実践する際に、住民やその他の多様な関係者といかに協働していくかが重要になり、コミュニケーション力は必要不可欠なスキルです。学生と教員との活発なコミュニケーションを展開し、国際感覚があり、なおかつ相手の気持ちや立場に立って考え、行動ができるなど、コミュニケーション力や人間性が備わったグローバル人材を輩出していきたいです。

受験生へのメッセージ

幼い頃から野生動物が大好きだった私は、将来は動物に携わる仕事に就きたいと漠然と考えていました。学生時代には野生動物に関する様々な調査ボランティアに参加し、多くの研究者に温かく見守ってもらい、研究職の素晴らしさを学びました。同時に生物多様性の消失は人間活動などによって引き起こされていることを痛感し、人間社会を理解することでこの問題の解決を目指す実践的・理論的社会科学研究を行うことを決めました。立命館大学政策科学研究科において、生物多様性保全のための社会科学をテーマに世界中から研究者や実務者が集う国際的研究ユニットを創生し、この分野の先導者を多く輩出することを目指します。そのために、生物多様性保全のための社会科学研究を志す大学院生やポスドクなどを多数受入れ、この分野の次世代の専門家の育成を行います。

キーワード

野生動物管理、環境教育、政策評価、ヒューマン・ディメンション、社会調査、環境社会学、環境教育のプログラム評価、意識調査、市民科学、人材育成、質的研究、生物多様性保全、社会心理学

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