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リサーチプロジェクト「資源循環と持続可能な環境戦略」の院生が京都市農家見学会を実施

京都の北嵯峨及び嵯峨野地域では、広沢池と大沢池が人工的な形状を持ち、背景となる遍照寺山のなだらかな山景と一体化し,その周りに平坦に広がる農地をも合わせ,京の雅を代表する風景を今日まで伝えています。嵯峨野における大切な田園景観など歴史的原風景を保全するために、1969年に「古都保存法」の「歴史的風土特別保存地区」に指定されました。農業の持続経営、京野菜のブランド戦略などを学習するために、政策科学研究科周研究室が、10月15日に京都市右京区北嵯峨における長浜氏の農家を見学対象と選定し、農家見学会を企画。リサーチプロジェクト「資源循環と持続可能な環境戦略」の院生が参加しました。なお、この農家は、2007年4月に中国の温家宝総理が訪問したこともあります。

見学会では、20年以上の豊かな農業生産経営管理など経験を持っている長浜氏が自分の農場の生産基盤の整備、農産物の生産状況および生産管理の技術などについて詳しく紹介していただきました。

今回は参加者全員が農家の生産、作業などに対して高い関心を持って、農作物の虫害治理、土づくり、収穫時期、農薬、肥料に関する様々な質問を提出して、長浜さんおよび奥様二人が品目別の生産場所および各品名の野菜を紹介しながら、熱心に質問を応答、そして意見交換をしました。

長浜さんによる「歴史的風土特別保存地域」における農家生産経営特別政策についても紹介していただきました。優れた田園風景を保存するために、ビニールハウスなどの導入が禁止されていること、そして政府は買い上げた土地の所有権を持って、農家にレンタルの方法で土地を提供すること等が分かりました。
今回の見学の流れは、オクラと大根、四角豆の田地から、茄子、白菜、ほうれん草、トマト、枝豆の畑まで一周巡り、そしてイチジク、ゆずなど果物の果樹および椎茸の育場まで見学しました。見学の後は長浜さんのご家族と一緒に、温家宝総理のご招待による中国への旅行の記念写真や記念品などを拝見し、日中友好交流のことをもう一度思い出しました。

今回の見学会では、「農のある風景」を体験し、播種、育成、管理、収穫など農作物の成長や農家の人々の営みを記録し、そして実践的な農業知識を学習できました。長浜さんの農作物に関する詳しい紹介および政策科学研究科教授周瑋生先生の社会科学的な視点から捉えた問題と解釈を加え、院生たちとの活発なコミュニケーションを通して、知識面および研究視座が広がって、コミュニケーションを重視した実践的で有意義な見学会となりました。

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