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岩田 拓夫 先生(国際関係学部)

 


【学部生向け】

『日本人のアフリカ「発見」』
青木澄夫著 (山川出版社、2000年)

多くの日本人にとってアフリカは世界の中で最も縁遠い地域と考えられがちですが、日本史の中でもアフリカとの歴史上の交差が存在してきました。本書では、近代以降の日本とアフリカとの交流に関する印象深いエピソードの数々を紹介されています。

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『想像の共同体 : ナショナリズムの起源と流行』〈増補版〉(ネットワークの社会科学)
ベネディクト・アンダーソン著 ; 白石さや, 白石隆訳 (NTT出版、1997年)

一見自明に見えて、様々な観点から論争を生みだしてきた「国民」(ネーション)という概念について、本書では国民とは「想像された共同体」として理解し、広範な事例の検証を通してその起源から形成の過程を描き出しています。社会科学のみならず、ネーションの問題を考える上では欠かすことのできない一冊です。 *他社発行版も多数所蔵しています。

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『アラーの神にもいわれはない : ある西アフリカ少年兵の物語』
アマドゥ・クルマ著 ; 真島一郎訳 (人文書院、2003年)

1990年代に深刻化した西アフリカの紛争の真っただ中で、犠牲者でありながら、加害者にもならざるを得なかった子ども兵をモチーフにして、子ども兵の視線からアフリカの紛争のリアリティを生々しく描き出した、アフリカを代表するコートジボワール人作家による「小説」です。

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『現代アフリカの紛争と国家 : ポストコロニアル家産制国家とルワンダ・ジェノサイド』
武内進一著 (明石書店、2009年)

筆者は、日本を代表するアフリカの紛争研究の第一人者です。約20年前の大虐殺の記憶も残るルワンダを舞台に、現代のアフリカの紛争が植民地支配から独立の過程で登場した「ポストコロニアル家産制国家」という国家のあり方に起因しているという視座から詳細な実証研究を通して分析を行っています。

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『三大陸周遊記抄』(中公文庫 ; B8-9)
イブン・バットゥータ著 ; 前嶋信次訳 (中央公論新社、2004年)

(現在のモロッコの出身である)イブン・バトゥータが、14世紀の世界の中心であったイスラーム世界、さらにインド、アフリカを30年近い歳月をかけて訪問した体験を記録した書物です。文字資料の少なかったアフリカ社会に関する貴重な記録でもあります。

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『創られた伝統』(文化人類学叢書)
E・ホブズボウム, T・レンジャー編 ; 前川啓治, 梶原景昭他訳(紀伊國屋書店、1992年)

本書は、「伝統」とは遠い過去から変化なく連綿と受け継がれてきたものではなく、比較的近い時代にある意図のもとで創りだされたものであるという理解に立って編纂されています。イギリス本国からインド、アフリカの植民地の事例を通して、いかにして伝統が創りだされてきたのかを重層的に描き出しています。

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『南アフリカ : 「虹の国」への歩み』(岩波新書 ; 新赤版 473)
峯陽一著 (岩波書店、1996年)

南アフリカにおいてアパルトヘイト体制が終わり、全人種による政治参加が始まってから20年を迎えようとしている現在、アフリカ大陸において特殊であり、一方で典型的な歴史的なあゆみを続けてきた現代南アフリカの政治・社会変動を理解するために最適の一冊です。

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【大学院生以上向け】

『L'État en Afrique : la politique du ventre』〈Nouv. Éd〉(L'espace du politique)
Jean-François Bayart (Fayard, c2006)

独立後のアフリカの諸問題の舞台となり、また原因ともなってきた「国家」においてはりめぐらされた権力関係について、膨大な実証研究をもとに描き出している研究書です。初版出版から四半世紀を経た現在も本書の価値は減ずるところがありません。来年、日本語訳書が出版される予定です。
*英語版『The state in Africa : the politics of the belly』〈2nd ed.〉も所蔵しています。

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『Citizen and subject : contemporary Africa and the legacy of late colonialism』(Princeton studies in culture/power/history)(Princeton paperbacks)
Mahmood Mamdani (Princeton University Press, c1996)

著者は、植民地統治の特徴について「分権化された専制」という印象的な概念を提起しながら分析を行うとともに、独立後のアフリカ政治の問題の根底に根強く絡みつく植民地支配の遺制の影響について広範な比較を通じて解き明かしています。歴史的なつながりを意識しながら、現代アフリカ政治を理解していく上で必読文献です。

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『Maps and politics』(Picturing history series)
Jeremy Black (Reaktion Books, 2000)

地図という、地理的技術を通じて価値中立的に作成されてきたと思われてきた製品が、実のところその時代の政治的利益・要請に大きく影響を受けてきたという視角において、詳細な国内・国際的な実証研究を通じて分析していく研究書です。地図と政治の両方が好きな方は是非ご一読下さい。

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