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井澤 友美 先生(国際関係学部)


『イェルサレムのアイヒマン : 悪の陳腐さについての報告』
ハンナ・アーレント 著 大久保 和郎 訳(みすず書房 ; 1994)

当初は良心の呵責を感じていたアイヒマンが、善悪の判断をやめ、大量殺人を目指す機構に仕え、自らの任務を実行するようになる。「悪魔的」と形容されるナチスの犯罪に加担した人間の実態は凡庸な人物であると指摘し、シオニストから非難の嵐が起きた一冊。虐殺や大量殺人、暴力を考察する上で参考になります。

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『オリエンタリズム 上・下』(平凡社ライブラリー ; 11-12)
E・ W・ サイード 著 今沢 紀子 訳(平凡社 ; 1993)

西洋が不気味な他者としての東洋(オリエント)を表象し支配する様式を、文献学・心理学・地誌・社会誌などに依拠しながら明らかにした。植民地支配、近代化、ポストコロニアリズムを学ぶ上で欠かせない一冊であると同時に、異文化交流、観光資源のあり方を考察する上でも役に立ちます。

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『国境の越え方 : 国民国家論序説 増補版』(平凡社ライブラリー ; 380)
西川 長夫 著(筑摩書房 ; 2001)

サイードが『オリエンタリズム』のなかで無自覚のまま使用した、西欧中心主義のイデオロギーを含む「文明」「文化」概念をその起源に遡って考察している。国民国家、ナショナリズム、ポストコロニアリズムを考える上で助けになる一冊です。

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『定本 想像の共同体 : ナショナリズムの起源と流行』(社会科学の冒険 ; 2-4)
ベネディクト・アンダーソン 著 白石 隆, 白石 さや 訳(書籍工房早山、2007年)

アンダーソンによれば、「国民」とはイメージとして心に描かれた想像の政治共同体である。そこでは出版資本主義、すなわち印刷媒介を中心とするメディアの発展が共同体を支える欠かせない要素であると指摘している。ナショナリズムの新古典。

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『創られた伝統』
E・ホブズボウム, T・レンジャー 編 前川 啓治, 梶原 景昭 他訳(紀伊國屋書店、1992年)

伝統、伝統文化を考察する上での必読書。古い時代からあると見られる、またはそのように主張される多くの伝統はごく最近、それも人工的に作り出されたのだと本書は言う

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『観光と権力 : カリブ海地域社会の観光現象』
江口 信清 著(多賀出版、1998年)

発展途上国では、特に外貨獲得手段として観光に対する期待が高い。観光がもたらす良い側面が強調されるなか、本書では観光現象のなかで起こる文化変容、オリエンタリズム的表象、力の不均衡などを現地調査に基づき描き出している。

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『アジア環境白書』
日本環境会議 「アジア環境白書」編集委員会 著(東洋経済新報社)

アジア地域の環境問題はもちろんのこと、現地における政治、経済、社会などを理解する上でとても参考になります。

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