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南川 文里 先生(国際関係学部)

在米日系人社会の形成と変容を中心に、社会学の観点からアメリカ合衆国における人種・エスニシティをめぐる諸課題を研究しています。
今回は、アメリカ社会を中心としつつ、私たちはどのような社会に生きているのかを考えさせてくれる文献を選びました。


『フランクリン自伝』改版
フランクリン [著] (岩波文庫、2010年 他)

無学な印刷工から「建国の父」に名を連ねる政治家となったベンジャミン・フランクリン。元祖・自己啓発書ともいえる成功エピソードやハウツーも満載であるが、そこからアメリカ的価値やアメリカ的生活様式とは何かを考えたい。

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『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
マックス・ヴェーバー著(岩波文庫 、1989年 他)

ウェーバーは、「資本主義の精神」を体現する人物として、ベンジャミン・フランクリンを挙げている。プロテスタンティズムの宗教倫理が導いた資本主義社会の考察は、アメリカ社会論として読んでも面白い。

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『心の習慣 : アメリカ個人主義のゆくえ』
R.N.ベラー [ほか著] (みすず書房、1991年)

個人主義とは自分勝手に生きることではない。ベラーたちが集めた市井のアメリカ人の声を聞けば、アメリカ社会を「個人として生きる」ことは、私たちが思っている以上に難しいということがわかる。

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『孤独なボウリング : 米国コミュニティの崩壊と再生』
ロバート・D・パットナム著(柏書房、2006年)

昨今のメディアをにぎわす地域社会の「絆」って結局なんだろうと思う人は必読。パットナムは、それを社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)と呼び、それがどのような条件のもとで成り立ってきたのかを考える。

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『アメリカの世紀 : それはいかにして創られたか?』
オリヴィエ・ザンズ著(刀水書房、2005年)

超大国としてのアメリカを支えた社会システムとは? 政府、企業、科学者の連合が生み出した消費、科学知識、多元主義による社会モデルこそが、20世紀アメリカが生み出した最大の「輸出品」である。

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『黒人のたましい』
W・E・B・デュボイス著(岩波文庫 、1992年)

「アメリカの世紀」のもう一つの顔。「20世紀の問題とはカラーライン(皮膚の色の境界線)の問題である」という有名な言葉で始まるアメリカ黒人論。でも、冒頭だけで読んだつもりになったらもったいない。黒人として生きるとはどういうことなのか。鋭い洞察に満ちた一冊。

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『マイ・ドリーム : バラク・オバマ自伝』
バラク・オバマ著(ダイヤモンド社、2007年)

現アメリカ合衆国大統領バラク・オバマが1995年に発表した自伝。ケニア人の父と白人の母を持ち、ハワイで育ったオバマ青年が、アメリカ人種主義とどのように対峙したのか。典型的な自伝作品ではあるが、すぐれた人種論でもある。

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『人間の測りまちがい : 差別の科学史』
スティーヴン・J・グールド著(河出文庫、2008年 他)

人種という考え方が、科学・生物学の名のもとに、いかに生み出されてきたのか。冗談かと思うような理論が、「科学」としてまじめに論じられていた時代。でも、決定論というものが持つ暴力性は、今も昔も変わらない。

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『人間の本性を考える : 心は「空白の石版」か』
スティーブン・ピンカー著(日本放送出版協会、2004年)

人間の心は、生まれた時に何も刻まれていない「空白の石版」なのか。人種決定論への批判が陥りやすい「空白の石版」論を徹底的に批判する。この本を読んで「やっぱり決定論が正しい」と思ってしまうようではまだまだ。

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『民族という虚構』
小坂井敏晶著(筑摩書房、2011年)

「民族」もまた虚構である。しかし、虚構であるからといって、それが無意味であるということにはならない。社会心理学、社会思想、記憶論などの知見を駆使しながら、「民族」から「開かれた共同体」の可能性を問いかける。

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『単一民族神話の起源 : 「日本人」の自画像の系譜』
小熊英二著(新曜社、1995年)

日本は「単一民族の国」だと言われる。もちろん、それは間違いだ。何しろ、戦時中の日本は「多民族帝国」を名乗っていたのに。では、なぜ、そのような思い込みが常識化してしまったのか、明治から戦後までの日本「民族」論の変遷を通して考える。

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『容赦なき戦争 : 太平洋戦争における人種差別』
ジョン・W・ダワー著(平凡社、2001年)

「鬼畜米英」対「黄色い猿」。日米戦争における「イメージの戦争」。しかし、人種のイメージが戦争を起こすのではない。戦争が、相容れない理解不可能な存在として、敵を「非人間化」するのだ。そのメカニズムをちゃんと知っておく必要がある。

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『親米と反米 : 戦後日本の政治的無意識』
吉見俊哉著(岩波新書、2007年)

戦中「鬼」「悪魔」と読んでいたアメリカの占領を、なぜあっさりと日本社会は受け入れたのか。近現代史に流れる「親米」日本の歴史的系譜。著者によれば、1929年には、すでに「アメリカ的でない日本がどこにあるのか」という議論があったという。「アメリカ的でない日本」は果たして可能か、考えてほしい。

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『まなざしの地獄 : 尽きなく生きることの社会学』
見田宗介著(河出書房新社、2008年)

アメリカ的生活様式を夢見た高度経済成長時代の格差と貧困は、1人の東北出身の青年を「殺人犯」へと変貌させる。戦後日本社会にとって、豊かさとは、成長とは、都市とは、そして「社会システム」とは何なのかを問うモノグラフの傑作。

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『モダンガール論』
斎藤美奈子著(文藝春秋、2003年 他)

社長になるか、社長夫人になるか。日本近代史において、「働く女性」と「専業主婦」という女性の2つの生き方は、どのように分岐していったのか。等身大の欲望という視点から、軽妙な語り口で描き出した20世紀女性史。

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『ハマータウンの野郎ども』
ポール・ウィリス著(筑摩書房、1996年 他)

文化研究の古典的名著。イギリスの労働者階級出身の「野郎ども」は、学校文化に反抗し、独自のアイデンティティと文化をつくり出す。その創造的で魅力的な文化は、既存の階級社会を打ち破る「抵抗文化」となりうるのか。

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『顔の見えない定住化 : 日系ブラジル人と国家・市場・移民ネットワーク』
梶田孝道, 丹野清人, 樋口直人著(名古屋大学出版会、2005年)

ブラジル人労働者がどのように日本にやってきて、どこで働き、どのような生活をしているのか。徹底的な調査にもとづいて、ニューカマー外国人をめぐる現状を明らかにする。巷にあふれる安易な「共生」論を、理論・実証の両方から乗り越える。

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『多文化時代の市民権 : マイノリティの権利と自由主義』
ウィル・キムリッカ著(晃洋書房、1998年)

異なった人種や民族がいかに共存できるのかを考える「多文化主義」の議論。多文化主義は、集団優先・個人軽視という批判もあるが、とんでもない。キムリッカは、個人の権利を重視するからこそ多文化主義が必要なのだと説く。

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『「日系アメリカ人」の歴史社会学 : エスニシティ、人種、ナショナリズム』
南川文里著(彩流社、2007年)

最後に自著を。20世紀初頭にアメリカに渡った日系移民は、どのようにして「日系アメリカ人」となったのか。エスニシティと人種が絡まり合うアメリカ社会のダイナミクスとは。ここに挙げた名著のエッセンスを、著者なりに消化して取り込んだつもりだが・・・。

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