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根津 朝彦 先生(産業社会学部)

2017.06.01


『原寿雄自撰デスク日記 1963~68』
小和田 次郎 著 (弓立社、2013年)

ジャーナリストを目指す人なら、真っ先に読んでほしい本です。共同通信の社会部デスクだった原寿雄が、報道内外からかかる圧力を記した筆名による貴重な記録。有名な企業など具体名も多く、1960年代の記録と思えない生き生きとした同時代性を帯びた名著です。

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『近代日本ジャーナリズムの構造――大阪朝日新聞白虹事件前後』
有山 輝雄 著 (東京出版、1995年)

日本近現代のジャーナリズム史で最も重要な事件は、間違いなく1918年に大阪朝日新聞を襲った白虹事件です。朝日新聞への過剰な思い込みをよく見聞きすることがありますが、政府の圧力に全面的白旗を掲げた白虹事件を知らなければ、日本のジャーナリズム史理解を見誤るでしょう。

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『戦後『中央公論』と「風流夢譚」事件――「論壇」・編集者の思想史』
根津 朝彦 著 (日本経済評論社、2013年)

マスメディアにおける天皇制批判のタブーを強めたのが「風流夢譚」事件です。作家の深沢七郎が『中央公論』1960年12月号に発表した小説「風流夢譚」に端を発する言論テロ事件です。同時にこの事件が知識人の言論界(「論壇」)の歴史に与えた強い影響を知ってほしいと思います。

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『権力に迫る「調査報道」――原発事故、パナマ文書、日米安保をどう報じたか』
高田昌幸 ・ 大西 祐資 ・ 松島 佳子 編著 (旬報社、2016年)

ジャーナリズムの神髄・醍醐味の最前線を堪能できる現場記者からの熱い報告。権力が隠す事実をすっぱ抜く調査報道が、私たちの知る権利にとっていかに切実なものであるのかが、驚くべき現実のリアルな凄みとともに体感できる1冊。まさに「事実は小説よりも奇なり」です

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『〈民主〉と〈愛国〉――戦後日本のナショナリズムと公共性』
小熊 英二 著 (新曜社、2002年)

戦後日本の知識人の生き方と思想を、その社会の歴史とともに学ぶことができる入門書。丸山眞男、竹内好、共産党・保守系知識人、吉本隆明、江藤淳、鶴見俊輔、小田実らの足取りと戦争体験を追体験しながら、日本現代史の「戦後」に向き合える大著です。

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『方法としての思想史』
安丸 良夫 著 安丸良夫集6 (岩波書店、2013年)

歴史学で思想史に関心をもった時にまず読んでもらいたい本です。研究対象が方法を規定すると恩師に言われたことがありますが、安丸良夫の誠実な思考の軌跡を潜ることで、個を深く理解していく方法に触発されて下さい。『現代日本思想論』や、鹿野政直『近代日本思想案内』もお薦めです。

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『知識人とは何か』
エドワード ・ W. サイード 著 大橋 洋一 訳 (平凡社、1995年)

知識人の功罪とは何か。社会的弱者の主張を代弁することはできないにしても、人びとの側に立とうとする姿勢、そこに知識人の存在意義があるという本書の主張は屹立としています。知識人論の入門書であり、座標軸になる書物です。

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『桑原武夫――その文学と未来構想』
杉本 秀太郎 編 (淡交社、1996年)

1950~1960年代の京都大学人文科学研究所の「黄金時代」を率いた文学者・桑原武夫の人物像に触れることができます。「戦後京都学派」の中心人物である桑原は無論のこと、彼の周囲にいた今西錦司、吉川幸次郎、貝塚茂樹、梅棹忠夫、鶴見俊輔、多田道太郎ら多彩な人脈の風景が広がります。

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『自由を生きる――人生は芸能、そしてゲームだ』
森 毅 著 (東京新聞出版局、1999年)

大学教員らしからぬ人間こそ最も大学教員らしいという逆説は、森毅のためにあるように思います。大学が自由な精神を育む場所という価値観は、昨今の成果・競争主義とともに見えにくくなっています。大学闘争の時代を回想した『ボクの京大物語』でも、彼の自由精神の遊泳を味わえます。

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『学校・学歴・人生――私の教育提言』
森嶋 通夫 著 (岩波書店、1985年)

教育格差や学歴の問題に関心をもつ人に読んでもらいたい一著です。ロンドンで経済学者として活躍した森嶋のエッセー本ですが、彼のポレミック(論戦好き)な姿勢と生き方、後に戦争責任を視野に入れた東アジア共同体構想を展開していくスケールの大きさに触れることができます。

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『何でも見てやろう』
小田 実 著 (講談社、1979年)

10代のうちに海外へ一人旅したいと思い、19歳のとき本書をもってイランへ一人旅をしました。「しっかりしろよ、オッサン」と生意気で鼻っぷしの強い態度、それでいて実は繊細なやさしさをもつ小田実の若かりし頃の世界放浪記です。一人で外国に旅立つ時にはぜひ本書を。

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『中国の旅』
本多 勝一 著 (朝日新聞社、1972年)

『朝日新聞』の著名な記者であり、ベトナム戦争の取材を経て、南京大虐殺を日本の人たちに紙面で広く知らしめしたのが彼です。日本軍の加害責任について目を開かされるルポルタージュ。同じく同紙の記者だった松井やより『愛と怒り闘う勇気』も併せて読んでほしい本です。

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『餓死した英霊たち』
藤原 彰 著 (青木書店、2001年)

第2次世界大戦で日本軍兵士の最大の死因は、広い意味での餓死でした。その割合は6割強とされています。そもそも日本軍兵士に人権がなかったと知ることは、被害と加害の重層性を理解する近道です。このような重要な歴史さえ高校までに習う人は少ないのではないでしょうか。

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『ヤマザキ、天皇を撃て!』
奥崎 謙三 著 (三一書房、1972年)

死んだ戦友の思いをのせて昭和天皇にパチンコ玉を放つ奥崎。彼を追ったドキュメンタリー映画『ゆきゆきて、神軍』も必見です。奥崎を「狂人」と笑い飛ばすのは簡単ですが、同時に気づいてほしいのです。奥崎よりもっと狂っているのは餓死や人肉事件へと追いやった国家であったということに。

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『皇室報道と「敬語」』
中奥 宏 著 (三一書房、1994年)

普段、皇室報道で敬語がつけられることに疑問をもつ人は少ないかもしれません。しかし、皇室に敬意を抱くことと、皇室報道で敬語をつける必要があるかどうかは別問題です。敬語・敬称を強いることで、自由な批判・思考にブレーキをかける。そのような報道の負の作用を考える糸口になる本です。

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『ねぼけ人生』
水木 しげる 著 (筑摩書房、1999年)

水木しげるのマンガでは、主人公がよく「フハッ」という驚きや人生の嘆息のような音声を発します。彼ののんびり生きたいという願望、戦争で南方に行って地獄を見てきた体験、現実には忙殺される日々が相乗するかのように、水木のユーモラスな生き方に誘ってくれます。

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『幸福論』
アラン 著 (岩波書店、1998年)

桑原武夫によってアランの存在を知りました。人は他者のためにも幸福であらねばならない義務があるとまで言い切るアラン。日向的でありながら、人生の憂いに深い理解が通底する短文集です。寝転がりながら読める、読みやすいエッセーは、どこかでみなさんを後押してくれるはずです。

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