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富永 京子 先生(産業社会学部)

2015.12.01


『離脱・発言・忠誠 : 企業・組織・国家における衰退への反応』
A. O. ハーシュマン 著 ; 矢野 修一 訳 (ミネルヴァ書房 , 2005)

学校、バイト、サークル、インカレ……。ある社会集団に所属していると、モチベーションが低下するとき、辞めたくなるときがたくさんあります。義務ではないものなら、なおさらその気持ちは強くなるでしょう。なにが「辞める」という行動を支え、「続ける」モチベーションを与えているのか。自分の行動を科学的に読み解くためにお勧めの一冊です。

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『お菓子とビール』
モーム 作 ; 行方 昭夫 訳 (岩波書店 , 2011)

倫理的にまずい恋だ、本当にどうしようもない女(男)だと思っても、その笑顔の前ではすべてがかき消されてしまうような相手との恋愛。誰だってそういう経験があるだろうと思います。その渦中にいる人はつらいと思いますが、そんな恋を「Cakes and Ale (人生の楽しみ)」と言えてしまえば、こちらのものなのではないでしょうか。

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『Freedom Summer』
by Doug McAdam (Oxford University Press , 1990, c1988)

1960年代に行われたアフリカ系アメリカ人に対する人種差別撤廃・公民権運動の一環として、ボランティアを行った1000人以上の大学生たちを追った研究書です。自らにとっての正しさを追い求め、運動にのめり込んでいく若者たちの姿は、ボランティアや社会運動をしたことがない人でも共感できるものだと思います。

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『代議士の誕生』
ジェラルド ・ カーティス 著 ; 山岡 清二, 大野 一 訳 (日経BP社 , 2009)

選挙や議会などのシステムを通じては知っていても、なかなか実態がわからない「議員」という仕事。代議士本人や周囲の人々との丹念な観察とコミュニケーションを通じて描いた本著は、なんと外国人研究者によるもの。ある文化の「外」にいるからこそ不思議に思えること、観察可能なことがあるとわかります。

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『現代の経済思想』
橋本 努 編 (勁草書房 , 2014)

決してやさしい本ではありません。しかし、「贈与」や「欲望」「幸福」といった、あらゆる形でなされる「経済」を今までとは全く違う形で見ることのできる智慧をくれます。単なる専門的な言葉への言い換えにとどまらず、新しい言葉を与え、思索の扉を開く手助けをしてくれる本書は、そんなにすぐに役に立つようなものでは決してありません。しかし、何かを考えたり思ったりするときに、その考えや思いを豊かにしてくれる、これぞ「思想」というべき本です。

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『ナウトピアへ : サンフランシスコの直接行動』
堀田 真紀子 著 (インパクト出版会 , 2015)

お金やブランドが支配する資本主義の仕組みを壊して、新たな世界を作ろうと試みるサンフランシスコの「ナウトピアン」たちの活動を追った本。コインパーキングを「パーク(公園)」にしようと試みる活動や、道の真ん中で編み物(ニッティング)をし、道行く人々に手渡しながらコミュニケーションをする人々など、こうした人々の活動を見ると、いかに私たちが不自由なのかわかります。足元から世界を変えるための刺激とアイディアをくれます。

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『マンガ脳の鍛えかた : 『週刊少年ジャンプ』40周年記念出版 : ジャンプ人気マンガ家37名、総計15万字激白インタビュー集』
門倉 紫麻 インタビュー ・ 文 (集英社 , 2010)

研究者になるにあたって、研究指南の書よりもむしろ漫画家になるための本を数多く読みました。本書はメジャーの第一線『週刊少年ジャンプ』で長年仕事を続けた人々の仕事論が数多く掲載されていますが、天才的な仕事は非常に地道な日々の積み重ねから生まれるのだとつくづく感じます。日常を丹念に生きたくなる本だと思います。

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『JP-01 SPK : Taiji Matsue』
松江 泰治 著 ; クリストファー ・ スティヴンズ 英訳 (赤々舎 , 2014)

北海道札幌市を上空・地上から、双方の視点から撮った「空撮」という手法による写真集です。札幌は私の故郷でもありますが、「少し上」から眺める故郷はとても不慣れで、どこか不自然なものです。しかし、一方で、遠くからでもはっきりと分かる空気の冷たさや湿った葉のにおいがあります。親しみ深い空気をまとう、しかし全く別の姿を持つ土地のすがたに、とらえ、ながめることの奥深さを感じました。

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『日々の泡』
ボリス ・ ヴィアン 著 ; 曽根 元吉 訳 (新潮社 , 1970)

若く美しく豊かだった主人公たちが、それまで当然と感じながら手にしていた何もかもを失うまでのお話です。当たり前ですが、人は、何かを失いつつあることにはなかなか気づきません。ただ、何かを失ってはじめて気づく、そういうことがあるのだと思います。だからこそ、すべてのものを失い続ける主人公たちに共感するのでしょう。

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『イギリスだより』
カレル ・ チャペック 著 ; 飯島 周 編訳 (筑摩書房 , 2007)

専門柄、海外に行くことは多いほうだと思いますが、仕事で出かけたとしても元の出不精がたたって殆ど観光をしません。帰って旅行記を読むたび、行ってみたいなと思い、実は通り過ぎていたことに気づき、後悔するというパターンの繰り返しです。チャペックの旅行記がとりわけ魅力的に見えるのは、素朴な挿絵や情緒豊かな文体だけでなく、そこに流れている時間がとてもゆっくりとしていて、私の旅とまるで違うからなのかなと感じています。

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『民衆の敵』
イプセン 作 ; 竹山 道雄 訳 (岩波書店 , 1939)

学生時代に出会った大人の方は皆魅力的でしたが、特にある政治家の方から強い影響を受けました。この作品は、町政に異議を唱えた主人公が苦難を乗り越えながら、自らの信念を貫こうとするお話です。これを読むたび、議会に立つ彼の、正しいと感じることを貫き通す強さを思い出します。こうした強さを持たない私は、こうした人々が持つ「強さ」の源泉がどこにあるのかを考えるために研究を始めました。

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『横井軍平ゲーム館 : 「世界の任天堂」を築いた発想力』
横井 軍平 , 牧野 武文 著 (筑摩書房 , 2015)

日本を代表する天才ゲームクリエイター・横井軍平氏が、自らのプロダクトについて語った一冊です。最先端の技術を用いるのではなく、既存の技術の使い途を新しくすることで斬新なプロダクトを作り出した彼の姿勢はとても勉強になります。研究もまた「新しさ」を追い求める営みですが、それが本当に新しいのか、また、何が研究を新しく見せているのかと考えたいとき、この本のことを思い出します。

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