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山田 希 先生(法学部)


『裁判百年史ものがたり』
夏樹静子著(文藝春秋、2010年)

「Wの悲劇」などで知られる人気推理作家が、裁判史上の重大事件(「大津事件」「帝銀事件」「チャタレイ裁判」「永山則夫事件」など12の事件)を解説。淡々とした語り口調ながら、いやむしろそれだからこそ、個々の事件のリアリティが伝わってくる。1つの事件が社会に与えた影響の大きさに改めて驚かされる。

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『検察の正義』
郷原信郎著(ちくま新書、2009年)

「実体的真実追求のために必要であれば、……ある程度の心理的な強制を受けて自白させられることも、それ以外の重要な価値が犠牲にされることも、致し方ないこととされてきた」(本書59頁)。政治資金問題、被害者・遺族との関係、検察審査会議決による起訴強制など問題山積の刑事司法。その実態が的確にまとめられている。

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『司法官僚 : 裁判所の権力者たち』
新藤宗幸著(岩波新書、2009年)

本書の著者によれば、一般裁判官は再任と人事評価という形で「支配」され、判決の内容も協議会という形で「統制」されている。こうした「支配」と「統制」を担っているのが司法官僚と呼ばれる裁判所の権力者たちである。司法の消極性をもたらす司法行政機構の内実には、危機感を抱かざるを得ない。

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『私たちが死刑評決しました。』
フランク・スワートロー, リンドン・スタンブラー他著(ランダムハウス講談社、2009年)

肥料会社に勤めるクールでハンサムな夫が妊娠8ヶ月の妻を殺害した。本書は、アメリカで話題となった、このスコット・ピーターソン事件の陪審員が、1人の男に死刑の評決を下すに至るまでのドキュメンタリーである。7人の陪審員の苦痛と苦悩の告白が、裁判員制度を導入した日本にも課題を投げかける。

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『死刑でいいです : 孤立が生んだ二つの殺人』
池谷孝司編著(共同通信社 、2009年)

17歳のときに母親を殺害した男が、成人した後、今度は面識のない27歳と19歳の2人の姉妹を刺殺した。本書は、新聞記者2人が、男の親族、鑑定医、友人、弁護士、少年院の仲間などへの取材成果をまとめたルポルタージュである。極刑によるモンスターの排除を叫ぶだけでなく、なぜ事件が起きたのか、どうすれば防げるのかを真剣に考えたい。

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『「改憲」の系譜 : 9条と日米同盟の現場』
共同通信社憲法取材班著(新潮社、2007年)

戦後、政府は、米国の核の傘と強大な軍事力に支えられた日米安保体制と平和憲法との鋭い矛盾を国民の目から遠ざけることに腐心した。本書で明らかにされる、政治家、防衛官僚、自衛隊、財界などの見えざる思惑には驚愕するほかないが、強化され続ける日米軍事一体化の前にしばしば顔を覗かせる改憲論議に注意の目を向けたい。

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『日米密約 裁かれない米兵犯罪』
布施祐仁著(岩波書店、2010年)

容疑者が米兵というだけで不起訴になったり、通常に比べて刑が軽くなったりする事件が、これまで数多く起こってきた。日米間に何か密約のようなものがあるのではないか。このような疑惑を抱いた若きジャーナリストが日米関係の不平等を徹底的にあばいた画期的ルポルタージュ。

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『ルポ 戦場出稼ぎ労働者』
安田純平著(集英社新書、2010年)

本書の著者は、2004年の「イラク人質事件」で拘束され解放されたフリージャーナリストである。「自己責任論」が噴出した事件として記憶している向きも多いだろう。その著者が単独で潜入したイラク軍基地訓練施設では、世界中から集められた貧しい人々が労働者として働いていた。グローバル化した世界における戦争ビジネスの実態に迫る。

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『競争と公平感 : 市場経済の本当のメリット』
大竹文雄著(中公新書 、2010年)

日本人は競争嫌いであり、市場に対する信頼度が低いようである。しかし、本書の著者によれば、市場での競争は、勝者と敗者を分けて格差も生じさせるが、それ以上に全体が豊かになるというメリットが大きいという。市場経済の本質の理解を促し、より豊かで公平な社会をつくるためのヒントが提言されている。

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『新自由主義 : その歴史的展開と現在』
デヴィッド・ハーヴェイ著(作品社、2007年)

小泉内閣が「新自由主義」という思想の下で、規制緩和、公共事業の縮小、自由競争の強化といった政策を次々に推し進めていったことは記憶に新しい。本書は、この思想的潮流が世界を席巻するまでの過程を明らかにする。経済地理学者である著者によれば、新自由主義とは「支配階級の権力回復というプロジェクトを偽装するための空想的レトリック」である。

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『エネルギー問題!』
松井賢一著 (NTT出版 、2010)

エネルギー問題は、すべてを細かく知る必要はなく、基本的なところを押さえておけば本質的なところは理解できる。このような考えのもと、本書はエネルギーをめぐる様々な問題を専門知識のない者にもわかりやすい形で紹介している。2050年頃に向けた日本の長期的なエネルギー戦略に対する基本的な考え方も示されており、興味深い。

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『民主主義がアフリカ経済を殺す : 最底辺の10億人の国で起きている真実』
ポール・コリアー著 (日経BP社、2010年)

原題は、Wars, Guns and Vote, Democracy in Dangerous Place。著者のいう最底辺の10億人の国々は、「安全保障」も「アカウンタビリティ」も構造的に欠いている。このような状況では、たとえ選挙を実施しても政治的暴力や内戦の発生するリスクは減少しない。本書は、国際社会がこれら2つの公共財を供給するための具体策を提言する。

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『動物たちの反乱 : 増えすぎるシカ、人里へ出るクマ』
河合雅雄, 林良博編著(PHPサイエンス・ワールド新書 、2009年)

戦前の人と動物が共存していたのどかな世界は、敗戦以後徐々に崩れ、里山の崩壊が起爆剤となって、今や野生動物による被害が全国的に深刻な問題となっている。「人と動物の共存」を図るためにはどうしたらよいか、という問題に、本書はワイルドライフ・マネジメント(野生動物管理)という施策を提言する。

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『パリのグランド・デザイン : ルイ十四世が創った世界都市』
三宅理一著(中公新書 、2010年)

グラン・ルーブル計画や新凱旋門(グラン・アルシュ)建設など、多くの記念碑的な事業が打ち出されてきたフランス。本書では、この「グランド・デザイン」の源流とでもいうべき17世紀から18世紀の計画論の形成過程が、当時の宮廷政治の枠組みで描かれている。駆け引きに満ちた宮廷政治と個性豊かな建築家たちの物語に惹きつけられること必至。

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『完全なる証明 : 100万ドルを拒否した天才数学者』
マーシャ・ガッセン著(文藝春秋 、2009年)

100万ドルの賞金がかけられた数学の7つの難問(いわゆるミレニアム問題)のひとつ「ポアンカレ予想」の証明。この世紀の難問を解いたロシア人数学者は、フィールズ賞を拒否し、ほとんどすべての人との連絡を絶ってしまった。モスクワで生まれ、数学のエリート教育を受けた経歴をもつジャーナリストが、1人のロシア人数学者の実像に迫る。

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