図書館の新型コロナウイルス感染症への対応について(更新:2020年10月16日)

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梶本 哲也 先生(薬学部)

 


『世界を変えた薬用植物』
ノーマン・テイラー著;難波恒雄訳(創元社、1972)

人類は、古代より疾病や外傷に対して有効な薬を自然に探し求め利用してきました。特に植物は多種多様な成分を産生し、医薬品の原料として利用できる豊富な薬用資源です。本書は、薬理活性の高い成分を含有する薬用植物が医薬品シードと開発されていくエピソードを、世界史を交えて興味深く展開しています。

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『特効薬はこうして生まれた:”魔法の弾丸”をもとめて』
ジョン・マン著;竹内敬人訳(青土社、2002)

今日、私たちは感染症をほとんど恐れることなく生活することができています。しかし、つい100年ほど前までは、感染症は多くの人命を奪いました。本書は、パスツールやコッホに始まる細菌学の誕生から抗生物質の発見に至るまでの物語を興味深く紹介しています。本書を一読し、身近にある抗菌薬をもう一度見つめ直し、感染症で若い命を失うことが少なくなった現代に生きていることに感謝する機会にして頂ければ良いと思います。

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『壊血病:医学の謎に挑んだ男たち』
スティーブン・R・バウン著;小林政子訳、中村哲也監修(国書刊行会、2014)

壊血病は、大航海時代に入った16世紀には、とても恐れられた病気です。新鮮な野菜や果物が壊血病を緩和することは、中国からオランダを通してヨーロッパ全土に知られていたはずでしたが、長く無視されていました。実際、17世紀初頭に、イギリスの艦隊司令官であったランカスターは、レモン汁を使って壊血病予防の手本を示しています。しかし、本手法は、海洋医リンドが、壊血病に罹った水兵たちを使って臨床実験を実施するまで認められませんでした。ランカスターの時代からすでに150年近くが経過していました。この結果を尊重したクック船長がオーストラリアまでの長旅で壊血病ゼロを達成しています。壊血病克服に関与した先人たちの興味深い物語です。

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『がん遺伝子を追う:発見レースの最前線』
マイケル・ウオルドホルツ著;大平裕司訳(朝日新聞社、2002)

がんに罹患しやすい家系が存在することは、漠然と知られていましたが、その正体が遺伝子レベルで解明されたのは、20世紀末です。本書では、分子生物学の進歩とともに、がん遺伝子の正体が解明されていく詳しいプロセスが、関与した科学者の研究上の着眼点や経歴、個性とともに興味深く解説されています。「がん遺伝子の発見」黒木登志夫 著(中公新書)との併読を薦めます。

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『美しき免疫の力:人体の動的ネットワークを解き明かす』
ダニエル・M・デイビス著;久保久子訳(NHK出版、2018)

免疫学の進歩は、「同じ病原体に再度攻撃された時に1回目よりも迅速に効率良く免疫応答できる仕組み」を見事に解明してきました。しかし、免疫学は、最近まで、「そもそも免疫反応がどのように開始されるのか」、「ワクチンの働きを助けるアジュバントはどのように機能するのか」といった基本的な謎には答えていませんでした。21世紀の免疫学の急速な進歩によって、これらの謎が解明されてきました。本書はこの謎の解明から抗がん薬オプジーボの誕生までの経過を興味深く解説しています。

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『消えゆくY染色体と男たちの運命:オトコの生物学』
黒岩麻里著(学研メディカル秀潤社、2014)

魚(フナ)の性には5種類あるという新聞記事(朝日、2014年5月26日)を読んで驚いた衝撃を受けたまま、本書を書店で見つけて衝動買いしました。男性を決定づけるY染色体は、X染色体が退化してできたと考えられるそうです。さらにY染色体が退化し、Y染色体を持たない哺乳類が世界で3種知られていて、そのうち2種類は日本で棲息しています。染色体研究の第一人者(女性)が興味深く解説する「オトコの生物学」です。

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『新薬誕生:100万分の1に挑む科学者たち』
ロバート・L・シック著;小林力訳 (ダイヤモンド社、2008)

本書では、抗エイズ薬・ノービアとカレトラ、向精神薬・セロクエル、人工インスリン・ヒューマログ、喘息薬・アドエア、抗体医薬品・レミケード、抗がん薬・グリベック、抗コレステロール薬・リピトールの開発秘話を正にドキュメンタリー形式で紹介しています。いずれも世界トップクラスのビッグファーマが開発したブロックバスターであり、失敗と挫折の中から薬ができるまでの詳細が生々しく紹介されています。製薬企業への就職を希望する学生諸氏にお薦めです。

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『新薬の狩人たち:成功率0.1 %の探求』
ドナルド・R・キルシュ、オギ・オーガス 著;寺町朋子訳(早川書房、2018)

古代から近代までの医薬品開発の歴史を概観できる一冊です。今では入手困難になった「ピル誕生の仕掛け人-奇才化学者ラッセル・マーカー伝」内林政夫 著(化学同人)(2001年)に詳述されていた経口避妊薬の開発についても、本書の第11章で紹介されています。本章では、ステロイド医薬品の合成に成功した化学者が、学問とビジネスに翻弄される物語を紹介しています。300ページ程の単行本ですが、とても盛り沢山で読み応えがあります。

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