図書館の新型コロナウイルス感染症への対応について(更新:2020年10月16日)

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田中 覚 先生(情報理工学部)

 

はじめに

読書を人生の糧にしようと思うならば、バランスを考えて読む本を選択したい。私は「人生の指針」、「知識取得」、「癒やし」、「楽しむ」をキーワードにして、それぞれのバランスを考えて本を読むようにしている。以下で、それぞれのカテゴリーから数冊ずつを紹介したい。普段、学生諸君は「楽しむ」のキーワードで本を選んでいることが多いだろう。それはそれで良いが、今回の図書紹介が諸君の読書の幅を少しでも広げるきっかけになれば嬉しい。(大学生になったらライトノベル以外も読みましょう


人生の指針が欲しいときに

『思考は現実化する』
ナポレオン・ヒル著(きこ書房 2005年 他)

鉄鋼王カーネギーが創始し、著者のナポレオン・ヒルが20年の歳月をかけて体系化した人生で成功するための方法が、体系的かつ具体的に述べられている。しかし、単なるハウツー本ではない。成功を目指して「如何に生きるべきか」という哲学が語られている。だからこそ真に役に立つ本である。

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『人間は自分が考えているような人間になる!!』
アール・ナイチンゲール著(きこ書房 2002年)

成功の鍵は、社会にどれだけ奉仕(サービス)できたかにある。これは道徳の話では無く、我々はそのような仕組みの社会に生きているのだ。アインシュタインは「人が生きる目的」について問われたとき「人の役に立つため」と答えたという。事実、彼は「自然の神秘を人々に伝える」という奉仕を行ったのである。

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『怒らないこと』
アルボムッレ・スマナサーラ筆(サンガ 2006年)

この本で扱う「怒り」は人間の欲に由来する「嫌な気分」全般を指している。怒りが自分自身を傷つける危険な感情であることがよく分かる。本書後半の怒りの治め方の記述には、気分良く生きるためのヒントが多数含まれている。

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『禅語百選 : 今日に生きる人間への啓示』
松原泰道著(祥伝社 1985年)

禅語には生きる指針となる珠玉の言葉が多い。そんな禅語を100語選んで易しく解説した 禅の入門書である。心にしみる実話が多く添えられている。「喝」、「主人公」、「老婆親切」、「日々是好日」などの良く知られた言葉の本来の意味を知ることもできる。

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楽しみながら知識を増やしたいときに

『邪馬台国はどこですか? 』
鯨統一郎著(創元推理文庫) 1998年)

カウンター席だけの地下1階の酒場で、一見冴えない雑誌ライターによって、未解決の歴史の謎が次々に解明されていくという短編小説集。「邪馬台国は東北にあった」、「仏陀は悟りを開いていなかった」など、歴史学者から見ればとんでもない理論が次々に展開されるが、不思議な説得力で納得させられてしまう。

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『聖書の名画はなぜこんなに面白いのか : 海外の美術館めぐりが楽しくなる』
井出洋一郎著(中経出版 2010年)

欧米の知識人と本当に親しくなりたいならば、聖書の知識は欠かせない。「アダムの創造」、「バベルの塔」、「受胎告知」、「最後の晩餐」などの新約・旧約聖書のエピソードが、名画の写真とともに紹介される。対話形式で読みやすい。

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癒やされたいときに

『アンの友達』
モンゴメリ[著](新潮文庫 1989年)

有名な「赤毛のアン」の第4集である。アンの友達を描いた短編集だが、すごく良い。現代の作家では恥ずかしくて書けないような純粋な愛情が描かれる。結ばれなかった恋人の娘の幸せのために、正体を隠しながら全てを賭けて尽くし抜く「ロイド老淑女」が、私は特に好きである。

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『アルプスの少女ハイジ』
ヨハンナ・シュピリ [著] (角川文庫 2006年)

落ち込んだときは、子供の頃に読んだ純な内容の物語を読み直すと良い。子供向けに易しく書き直される前の原作本を読むと、大人でも、いや、大人になって初めて面白いと思えるものが多い。その中でも私のお気に入りはこの本。アルプスの自然描写も素晴らしい。

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単純に読書を楽しみたいときに

『星を継ぐもの』
ジェイムズ・P・ホーガン著(創元SF文庫 1997年)

最近、星野之宣によってマンガ化された名作SF。科学設定がしっかりした本格的なハードSFで、しかも読み易い本として、この本はお薦め。「月面で見つかった真紅の宇宙服をまとった死体は5万年前のものだった」というところから、人類のルーツが明らかにされていく。

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『連帯惑星ピザンの危機』
高千穂遥著(ハヤカワ文庫 2008年)

日本初の本格的なスペースオペラとして知られるSF小説。太陽系国家ピザンの国民全体を電波で洗脳してクーデターを起こした科学者に主人公のジョウが挑む。宇宙/空中戦、猛獣との死闘、お姫様を守っての銃撃戦など盛りだくさんの内容。ワクワクする軽い読み物が欲しいときにお薦め。

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『獣の奏者』
上橋菜穂子作(講談社 2006年-2010年)

日本を代表するファンタジー作家上橋菜穂子の傑作。戦闘用の獣である「闘蛇」と王家のシンボルである聖なる獣「王獣」、そして宿命の少女エリンの物語。エリンの熱く真剣な生き方に心を揺すぶられる。筆者の描く仮想世界はリアリティー満点。歴史大河ドラマとして読んでも面白い。

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