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橋本 貴彦 先生(経済学部)

 


『日本海軍400時間の証言』
NHKスペシャル取材著(新潮社、2011年)

元日本海軍幹部たちは第二次世界大戦(1941年~1945年)の開戦経過について長く沈黙を守っていました。しかし、1980年以降、元幹部たちが密かに反省会を開いていたことが近年分かってきました。本書はその際の400時間分の記録テープを元に、戦争に突き進む日本海軍の組織の特徴を「組織優先で、個人を軽視する」、「失敗した時の責任の所在の曖昧さ」、「流れに身を任せた結果生まれる"やましき沈黙"」とまとめています。でもよく考えると、現代日本のあらゆる組織に共通する特徴になってはいないでしょうか。

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『東海村臨界事故:被曝治療83日間の記録』
NHK取材班著(岩波書店、2002年)

1999年9月30日に起きた茨城県東海村臨界事故の被害者の方の治療の記録です。被害者の方は、JCO東海村事務所に勤め、臨界事故につながるウラン加工の作業に事故当日初めて従事し、被曝(ひばく)します。事故から83日後に東京大学医学部附属病院で亡くなられました。この事故から何を私たちは学ぶべきなのでしょうか。命の尊さはもちろんですが、事故原因の徹底究明、企業が守るべき倫理、科学技術とその利用の問題など数多くあります。福島原発事故、原子力発電所再稼働、最近話題のブラック企業等での問題は、経済性を何で測るか、命(個人)の重視という論点において、この事故から何も教訓を学んでいないように感じました。

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『宮本常一とあるいた昭和の日本』
須藤功編・田村善次郎・宮本千晴監修(農文協、2011年)

1950年代から1970年代初頭にかけての高度成長期の日本を描いた映画(例えば『ALWAYS 三丁目の夕日』等)をみると、今とは異なる違いを感じることはないでしょうか。同居する家族の人数や範囲が異なることや、地域に自営業の人がたくさんいたこと等々です。ここでは人間関係についての事項をあげましたが、本書はそうした記録を丹念な調査でまとめあげた本です。書名の宮本常一氏は著名な社会学研究者です。

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『日本軍と日本兵』
一之瀬俊也著(講談社、2014年)

第二次世界大戦では、国家は国民に対して、現在と比べて格段に交流が少ない中で、未知の「敵国」の兵士の様子や戦う理由について説明する必要性が生じました。そこで、当時の米国陸軍軍事情報部では、兵士や士官向けに、日本軍や日本軍兵士を理解するための戦訓広報誌『情報広報』を発行します。本書は、その『情報広報』の記述を整理したもので、米国陸軍からみた日本軍、日本軍兵士像です。読み方によっては、当時の「日本人」像とも読むことができます。どのようなことが記されているのか。気になる人は読んでください。

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『天皇観の相克:復刻版』
武田晴子著(岩波書店、2001年)

1945年8月15日の日本は敗戦の時を迎えます。その後、戦後の日本の社会及び政治体制に関して海外の戦勝国を中心に議論されます。特に、問題となったのは、いわゆる「天皇制」でした。実は、それらの議論をみると、天皇制廃止論だけではなく、様々な国や論者によって、多様な議論があったことがわかります。海外の人の「眼」、または「鏡」からみた当時の日本社会像が見て取ることができます。

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『地域資源の国民的利用』
永田恵十郎著(農山漁村文化協会、1988年)

本書は地域経済、農業に関する本です。最も印象に残ったのは、資源の定義に関する箇所です。1945年当時の日本政府の文書では、資源の中に、土地、動植物、生産施設だけではなく、人的資源(ヒト)を含めていました。おそらく戦争遂行に必要な消耗品としてでしょうか。一方、戦後まとめられた総理府資源調査委員会の定義では、ヒトは資源の定義として含みません。ヒトは主役になり、資源はヒトによって使われる手段として捉え直しているわけです。ことばの定義と認識の重要性を再確認させられました

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『マルクス数学手稿』
マルクス, K. 著・菅原仰訳(大月書店、1974年)

マニア向けの本かもしれません。社会経済学の創設者であるマルクスの数学の研究に関するメモをまとめたものです。一般に、社会経済学分野の本は数学を用いることが少なく、数学を使わないイメージが定着しています。この本では、マルクス自身は、当時、急速に発達していた微分学を自分のものにしようとノートを作り準備をしていたこと様子がわかります。

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『経済学と現代の諸問題』
置塩信雄著(大月書店、2003年)

小さな頃に「この世の中がいつまで続くのだろうか」と考えたことはありませんか。逆に、大人になるとあまり疑問に思わなくなるこのテーマを本書は学術的に論じています。本書は、この問題を正面に据えて、自然界における人間の生存、現在の社会システムの持続性、という二つに分けて、その条件を検討しています。前者の問題は、エネルギー・環境問題として3.11以降特に関心を持たれていますし、後者の問題としては失業、需要不足、貧富の格差の拡大として話題に上っています。経済学部を卒業する前に、挑戦した方がよい一冊です。

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『不況は人災です』
松尾 匡著(筑摩書房、2010年)

その名の通りですが、多くの人が関心を寄せている「不況の原因、どうしたら景気がよくなるのか」という問題をわかりやすく説明しています。難解な用語や多くの専門用語を使わないで、企業や人々の投資に関する予測と決定の方法に重点が置かれて説明されているために、スムーズに読むことができます。

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『滋賀県の百年』
傳田 功著(山川出版社、1984年)

戦前、滋賀県は農村県という色彩が強く、大阪や京都へ出稼ぎ者を排出する県でした。現時点の状態を常識として捉えず、歴史を学ぶ中で、教訓を得ることには意味があると考えます。山川出版社は、各府県の歴史書を出版しています。ぜひ一読を。

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