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林 裕明 先生(経済学部)

2019.05.13


『働きすぎに斃れて : 過労死・過労自殺の語る労働史』
熊沢 誠 著(岩波書店、2010)

著名な労働社会学者である著者が、豊富な事例をもとに日本における働き方の特徴、過労死・過労自殺を生み出す社会的背景について明らかにした著書です。「強制された自発性」という言葉をキーワードに、日本で過労死・過労自殺が頻発する背景を探っています。これから日本社会で働くみなさんにぜひ読んでいただきたい1冊です。

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『福祉資本主義の三つの世界 : 比較福祉国家の理論と動態』
G. エスピン ・ アンデルセン 著 (ミネルヴァ書房、2001)

世界的に著名なスウェーデンの社会学者である著者による資本主義類型論の古典ともいえる研究成果です。福祉資本主義(福祉国家)を、自由主義レジーム(アメリカ、オーストラリアなど)、保守主義レジーム(ドイツ、フランス、イタリアなど)、社会民主主義レジーム(スウェーデン、デンマーク、オランダなど)の3つの類型に分類し、その違いを示すとともに、そのレジームが社会階層や雇用におよぼす影響を明らかにしています。

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『中国経済学入門 : 「曖昧な制度」はいかに機能しているか』
加藤 弘之 著(名古屋大学出版会、2016)

著名な中国経済研究者であり、惜しまれながら2016年にこの世を去った著者による中国経済研究の集大成ともいえる書物です。中国経済研究は「中国経済論」ではなく、「中国経済学」に高めうるのだと信じる著者の熱い思いをみなさんも感じてください。

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『エディー・ウォーズ』
生島 淳 著 (文藝春秋、2016)

2015年のラグビーW杯で歴史的な3勝を挙げた日本代表チームのヘッドコーチをつとめたエディー・ジョーンズ氏と選手たちとの葛藤を、長期にわたる取材を通して明らかにした労作です。今年9月から日本でラグビーW杯が開催されますので、その前にぜひ読んでほしい1冊です。

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『オフサイドはなぜ反則か』
中村 敏雄 著 (平凡社、2001)

スポーツ・ルール社会学の第一人者である著者が、サッカーやラグビーの重要なルールであるオフサイドの発祥や社会的背景に迫った著書です。ゴールを目指しながらも後ろへ後ろへとパスをつないでいくラグビー(やサッカー)の不合理なルールである「オフサイド」の発祥を、遠い中世における英国の村祭りへと辿るとともに、オフサイドを愛し育んできた英国の社会状況に目を向けています。

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『路地裏の大英帝国 : イギリス都市生活史』
角山 榮 ・ 川北 稔 著 (平凡社、1982)

日本を代表する社会経済史研究者である著者によるイギリス都市生活史です。かつて世界にさきがけて産業革命を達成した18-19世紀のイギリスで、工業化と都市化にともなって人々の生活はどのように変化したのでしょうか。当時の都市文化・家庭観・食事・病気・召使い・レジャー・パブなどの日常生活に光を当てています。

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『お母さんは忙しくなるばかり : 家事労働とテクノロジーの社会史』
ルース ・ シュウォーツ ・ コーワン 著 ・ 高橋 雄造 訳 (法政大学出版局、2010)

妻であり、母であり、科学技術史の研究者でもある著者が、主婦の仕事とテクノロジーについて研究した著書の翻訳です。一般的に想起されるイメージとは異なり、家電の発達をはじめとするテクノロジーの発展が主婦の負担を軽くしたわけではないことを、膨大な時間と多くのデータを用いて実証しています。原著のタイトルMore Work for Motherとともに、訳書のタイトルも魅力的ですね。

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『キャパの十字架』
沢木 耕太郎 著 (文藝春秋、2015)

フォト・ジャーナリズムの分野で世界的に著名な写真家とされるロバート・キャパが撮ったとされる「崩れ落ちる兵士」の写真には多くの謎が残されている。ノンフィクション界の巨匠である沢木耕太郎がこの写真の謎に迫ります。著者の長い旅にみなさんも同行してみませんか?

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『ヒルビリー・エレジー : アメリカの繁栄から取り残された白人たち』
J. D. ヴァンス 著、 関根 光宏 ・ 山田 文 訳 (光文社、2017)

ヒルビリー(田舎者)とは、アメリカでもっとも厭世的な社会層といわれる貧しい白人労働者層を指す言葉です。本書は、ヒルビリー出身ながら運と努力によってエリートに上りつめた著者が、自分の家族も含めた貧しい白人労働者階級の独特の文化や悲惨な日常生活を描いたものです。トランプ現象の背景ともいわれるアメリカの社会構造を知るためには最適の1冊ではないでしょうか。

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