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鄭 有希 先生(経営学部)

 

企業が国境をまたいで経営活動を行う、いわゆるグローバル時代においても、経営者の悩みは、結局、「ヒト」の問題に行き着くと言われています。従業員のモチベーションや組織に対するコミットメントの向上、チーム内で生じるコンフリクトの解決、従業員のストレス管理など全てが「ヒト」に関わる問題です。そこで、「組織行動論」とは、まさに企業の「ヒト」の問題へのアプローチであり、経営学部の学生(次世代マネジャー)は組織行動論のような経営学分野をよく理解する必要があります。今回、紹介する10冊の本は、会社で働くヒトの心理的な側面から組織文化や国の文化に至るまで幅広い組織行動論の主要なトピックスを網羅しています。この10冊の本を通して、近い将来、会社でどのように働き、仕事を通して成長していくのか、また企業組織におけるマネジャーのあり方などについて考えてみてください。


1.組織行動論の基礎

『マネジメントの心理学: 産業・組織心理学を働く人の視点で学ぶ』
伊波和恵、高石光一、竹内倫和編著(ミネルヴァ書房)

組織行動論の分野において国際的に研究活動を行っている若手研究者たちが、組織行動論における新しい概念や理論を紹介した本です。本書の特徴は、各章の冒頭に,学生が就職して,さまざまな人とのかかわりの中で「働く人」として成長していく姿を,各章の内容と関連したストーリーで描くことです。また,各章末には働くことに関する現代社会の状況が反映されたケーススタディもありますので,読みやすいかと思います。

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『組織行動のマネジメント-入門から実践へ』
ステファン・P. ロビンス著 高木晴夫訳(ダイヤモンド社)

世界中の多くのビジネススクールで読まれている組織行動論のテキストです。もちろん、私の組織行動論の授業でも使用しています。この本の特徴とは、ミクロ的な観点に偏りやすい組織行動論を心理学・社会学・人類学・政治学など、さまざまな行動科学の知見から解釈していることです。特に、本書は組織行動論のすべてを網羅しているので、組織行動論のガイドブックとして使えます。組織行動論に関する初学者に最適です。

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『産業・組織心理学エッセンシャルズ』
田中賢一郎著(ナカニシヤ)

上記の2冊の本と同様に、大学の授業でテキストとしてよく使われている本です。この本の特徴は、産業・組織心理学の重要語の説明だけではなく、理論的概念を詳しく説明し、古典的な研究から新しい研究動向まで紹介されていることです。組織行動論をじっくりと勉強したい学生にお薦めします。

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2.ワーク・モチベーション

『人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ』
A.H. マズロー著小口忠彦訳(産能大学出版部)

多くの学生に馴染みがあるこの本の著者、マズローは欲求段階説、自己実現の概念などを提唱したアメリカの心理学者であります。この本では、フロイトの精神分析など、それまでの心理学の系譜が書かれているので、若干難しく感じられるかも知れません。しかし、3章~6章では、欲求段階説が詳しく説明されているので、マネジメント論の授業で学んだ欲求説とモチベーションの内容についてより深い理解が得られると思います。特に、心理学について興味がある学生はどうぞ。

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『モチベーションをまなぶ12の理論』
鹿毛雅治編著(金剛出版)

本書は、12人の著者たちがモチベーションに関する12の学術理論(内発的動機づけ、達成目標理論、自己効力感など)をわかりやすく、丁寧にレビューしています。モチベーションについて専門的に学びたい学生には最適な一冊です。

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3.リーダーシップ

『リーダーシップ入門(日経文庫) 』
金井 寿宏著(日本経済新聞社)

大手企業の経営者だけではなく、大学のサークル、アルバイト先などあらゆる場面で、人はリーダーシップの問題に直面しています。本書では、リーダーシップの定義、さまざまな論理、及び事例が紹介されています。かなりわかりやすくリーダーシップについて解説されていますので、リーダーシップの入門書としてお薦めします。

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『なぜ、わかっていても実行できないのか-知識を行動に変えるマネジメント』
ジェフリー・フェファー、ロバート・I・サットン著 長谷川 喜一郎監修、菅田 絢子訳(日本経済新聞出版社)

組織論では、世界的に著名なスタンフォード大学のジェフリー・フェファー教授が筆頭著者の本書は、なぜ組織は変わらないのかについて豊富な事例をもとに解説しています。実践に向けた数多くの命題は、研究者のみならず経営者にも役立つものが多いと思います。経営学部の学生のみならず、企業の経営者や経営管理者として活躍することを目標としている学生には、必読書です。

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『星野リゾートの教科書』
中沢康彦著(日経BP社)

私の組織行動論やマネジメント論の授業では、必ず紹介される星野リゾートの話です。軽井沢の老舗温泉旅館から、日本各地でリゾート施設を運営する企業へと飛躍した星野リゾートの成功の背景には、星野氏が実践した「教科書通りの経営」があります。本書では、星野氏が戦略やマーケティング、リーダーシップの参考にした30冊の本と、それらの本から学んだ理論の実践事例も紹介されています。何より、この本から、星野氏の優れたリーダーシップが学べます。今回紹介する10冊の本とともに、星野氏が紹介する30冊の本も、経営学部の学生にお薦めします。

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4.組織と文化

『多文化世界 - 違いを学び未来への道を探る(原書第3版)』
G.ホフステード、G. J. ホフステード、M. ミンコフ著 岩井八郎・岩井紀子訳(有斐閣)

グローバル時代、多くの経営者は多様な人材(外国籍人材)を最大に活かす方法を模索しています。そのためには、先ず、彼らの価値観、行動パターンなどを科学的に予測する必要があり、その予測基準としてよく使われているのが、ホフステードの多文化社会理論(5次元モデル)であります。本書は、76におよぶ国と地域での価値観調査を鮮やかに分析し、多様な考え方、感じ方、行動の仕方がぶつかり合う、グローバル化社会に迫る世界的ベストセラーです。特に、卒業後、外資系・グローバル企業で働きたい学生なら、グローバル化社会の人間行動を国の文化(価値観)の観点から正しく理解する必要あるでしょう。

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『組織文化とリーダーシップ』
エドガー・H.シャイン著 梅津裕良・横山哲夫訳(白桃書房)

本書は、マサチューセッツ工科大学名誉教授エドガー・シャインの古典的名著です。組織において、文化が支配的な力を持つことを示唆し、特に、信奉された信条・信念・価値観だけでなく、メンバーによって無意識のうちに当然のものとして保たれている考え方や認識の重要性が検討されています。その上で、リーダーの役割や、いかに組織変革するか、その方法を示した組織文化論の古典的名著です。研究書であるので、少し難しく感じられるかも知れませんが、経営学部の学生には、組織文化とリーダーシップを本質的に理解するには必読であります。

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