図書館の新型コロナウイルス感染症への対応について(更新:2020年10月16日)

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栗原 俊之 先生②(スポーツ健康科学部)

 

手当たりしだい読書のススメ

私は昔から読書が好きで,小学生から大学生までコンスタントに毎年120冊以上(月10冊以上)読んでいた。高校の定期試験前に吉川英治の「宮本武蔵」を読み始めてしまい,全8冊を読み切るまで試験勉強がおろそかになってしまったことも遠く懐かしい思い出である。最近では学術書や論文を読むことの方が多くて,一般書や文庫本を読むための時間がなかなか取れない。大学生の時分には貪るように本を読みまくれる時期だと思うので,学生諸君は他の先生方の推薦書とか雑誌の紹介記事とか新潮文庫の100冊などの中から興味が湧いた本を手に取って手当たりしだいに読んで欲しい。同様の推薦書は文春,講談社,角川などなど各出版社も出している。私も毎年それらを参考にして,何冊か興味のある本を読んでいた。今回は,自分の読書史の中から心に残った本を何冊か紹介する。歴史小説が多くなってしまったが,スペースさえあればもっと何冊でも紹介したいところだ。


『二重らせん』
ジェームズ ・ D・ ワトソン,江上 不二夫 / 中村 桂子 訳(講談社ブルーバックス)

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『ダークレディと呼ばれて・二重らせん発見とロザリンド・フランクリンの真実』
マドックス,福岡伸一 監 訳,鹿田 昌美 訳(化学同人)

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科学者の自伝は前回私が紹介したファインマン氏の本が有名だが,DNA二重らせん構造の発見を行ったワトソン・クリックのワトソン氏が書いたこの自伝は,1950年代当時の研究環境,そして研究者たちの様子が,ワトソン氏の目を通してありのままに描かれている。生命科学に関係する研究者だけでなく,科学者を目指す理系学生はぜひとも手にして読んでいただきたい。 後者は,ワトソン,クリックの論文に多大なる貢献したにも関わらず,科学の世界では闇に葬られてしまったフランクリンを再評価した本。こちらも同時に読むとよいだろう。


『宇宙からの帰還』
立花 隆 著(中公文庫)

立花隆氏は,科学関連で一般人に受け入れやすい形に自然科学を説明してくれる,数少ない科学ジャーナリストとして有名な方で多くの著作がある。科学者という生き物は,えてして,一般人には理解できない自分たちの村の言葉,いわゆる専門用語,でサイエンスを語りたがるが,いかに一般人に分かるように伝わるように科学の最新知見を表現できるかは,科学者にとって永遠なる課題かもしれない。

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『落日燃ゆ』
城山 三郎 著(新潮文庫)

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『男子の本懐』
城山 三郎 著(新潮文庫)

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歴史小説の中で私が好きな2冊はともに昭和史で城山三郎氏の傑作である。昭和初期の経済的にも国際的にも大変な時代に生きた政治家はどうあるべきだったのか,読んでいくと当時の政治家の強い意志と行動力に頭が下がる。私がその時代に生まれていたらどう生きただろうか?


『竜馬がゆく全8巻』
司馬 遼太郎 著(文春文庫)

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『竜馬がゆく』(新装版)
司馬 遼太郎 著(文春文庫)

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『坂の上の雲全8巻』
司馬 遼太郎 著(文春文庫)

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司馬遼太郎氏の書く歴史小説はいわゆる司馬史観と呼ばれる独特の雰囲気をかもし出している。それは,史実を忠実に再現したノンフィクションものではなく,歴史を大局として眺めた物語として登場人物を通じて司馬氏の考える日本人像を描いているからである。それに対する批判も多いが,司馬史観にどっぷり浸かると抜けられなくなる。読んでいけばいくほど,ますます坂本竜馬や秋山好古・真之という人物にあこがれること間違いない。


『海賊とよばれた男 上下』
百田 尚樹 著(講談社文庫)

最近の歴史小説で注目しているのは百田尚樹氏の著作である。特にこの「海賊とよばれた男」は,ある雑誌の紹介記事を読んでからずっと気になっていた。学会出張中の飛行機で読み始めたのが止まらず,学会期間中に上下巻とも読み終わってしまった。読み終わった後になんともいえぬ清涼感と勇気が湧いてきた。「永遠の0」や「黄金のバンタムを破った男」も面白かったが,これが百田作品では一番のお薦めです。

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『吉里吉里人』
井上 ひさし 著(新潮文庫)

突然,東北のある村が日本政府から独立した。劇作家としても有名な井上ひさし氏の代表作。この小説はコミカルで痛快な部分もありますが,「国家」を支える制度とは何であるのか考えさせられる部分もあります。単なる小説と甘くみて読み始めると,いつの間にかどっぷりはまってしまいます。

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『バイオメカニクス 人体運動の力学と制御[原著第4版]』
David A. Winter ; 長野 明紀 ・ 吉岡 伸輔 訳(ラウンドフラット)

小説ばかりではなく,スポーツ健康科学部の学生・院生が持っているべき書物を紹介する。バイオメカニクスを勉強するには必携の書。これだけ読んでおけばよいと言っても過言ではない。この書物は世界的にも有名だが,日本語に訳したのは本学スポーツ健康科学部の教員・元教員である。

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『文書・図表・イラスト 一目でわかる表現の心理技法』
海保 博之 著(共立出版)

大学院生の時に購入した本だが,いまだに私の本棚では現役でありいまだに手放すことができない。絵心がない私ではあるが,グラフ,スライドあるいはポスターで"一目でわかる表現"を目指し,できるだけ見やすくわかりやすい図を描くことを心がけている。

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『論文捏造』
村松 秀 著(中公新書ラクレ)

ヘンドリック・シェーン氏による一連の論文不正事件をNHK特集番組で取り上げた後にまとめ上げた本である。時代の寵児とも呼ばれたシェーン氏の異常なまでに正確で従来の常識を覆すような研究成果の華々しさは,その後の騒動の中でかき消され,現在では科学において不名誉な意味で最も知られている人物である。2014年に日本でも論文不正が世間の話題にのぼったのであるが,私も科学者のはしくれとして,こういう話題は本当に残念でならない。

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『身体知システム論 ヒューマンロボティクスによる運動の学習と制御』
伊藤 宏司 著(共立出版)

私がこの書物を知ったのは6年くらい前になる。ヒューマンロボティクスにちょっと興味があって,たまたま本屋で読んでいたところ,リズム生成と歩行,四足動物の歩行パターンについて書かれている章に惹かれて購入した。その後,この著者である伊藤宏司先生が立命館大学に勤務されていたのを知るのだが,縁とは不思議なものである。

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[番外編]漫画『栄光なき天才たち全17巻』
伊藤 智義 ・ 森田 信吾 著(集英社ヤングジャンプコミックス版)

漫画ですので立命館大学の図書館では置かれてないようですが,あえて推薦します。この漫画で取り上げられた人物や会社・研究所は本来なら世間に正当に評価されるはずだったのに,歴史の中で埋もれてしまったものです。私もこの漫画によって理化学研究所や鈴木梅太郎氏のことを初めて知りました。ぜひ読んでみてください。