図書館の新型コロナウイルス感染症への対応について(更新:2020年10月16日)

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山田 和郎 先生(経営学部)

 

今回のテーマ:『経営学部で学ぶ学生のために』

『考える技術・書く技術 : 問題解決力を伸ばすピラミッド原則』
バーバラ・ミント著 ; 山﨑康司訳(ダイヤモンド社、1999年)

既に死語になりかけている印象もありますが、ここ数年、「ロジカルシンキング」という言葉が流行しており、定期的に似たような内容の書籍が話題になっています。その中では本書はその走りともいうべきものです。内容も簡潔に説明されており、例も多いです。類書が多く刊行されていますが、読んだだけでも身につく知識ではないかと思うので、この1冊を繰り返して読んでおけば「ロジカルシンキング」の概要を把握できると思います。

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『論理トレーニング』
野矢茂樹著(産業図書、2006年)

論理的に考えること、とはどういうことなのか、より深く考えるため、ここでは「論理学」に注目しましょう。大学でどのような学問分野を学ぶにしても、将来どのような専門分野でプロフェッショナルになるにしても、論理的な議論ができること、あるいは論理の飛躍を見抜けること、が大前提になります。ただ、書籍は読んだだけで、習得できる代物ではないので、実際に使っていく必要があります。幸い、この著書にはトレーニングブックもあり、論理的に考える基礎体力を身につけることができます。

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『意思決定理論入門』
イツァーク・ギルボア著 ; 川越敏司, 佐々木俊一郎訳(NTT出版、2012年)

個人の意思決定。経済学的が強いテキスト。ミクロ経済学は、「ヒトが物事をどう決めるのか」という問いを合理的に体系化した学問です。また、最近の流行りである、心理学をベースにした考え方、行動経済学についても多くの事例が書かれています。

ここで書かれていることは授業などで一通り勉強しているよって方は、同じ著者による『合理的選択』もどうぞ。

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『組織の経済学』
ポール・ミルグロム, ジョン・ロバーツ著 ; 奥野正寛 [ほか] 訳(NTT出版、1997年)

ここからが応用のテキストです。1980年代以降、ミクロ経済学を現実企業へ応用する、という動きが活発になりました。本書はそのような研究の流れをまとめあげたものです。働く人の「やる気」と出すには、どのような組織形態にし、どのような動機付けをすべきか、多くの実例と共に書かれています。

分厚いですが、章立てを見た上で、気になる箇所から読んでください。

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『コーポレート・ファイナンス』
リチャード・ブリーリー, スチュワート・マイヤーズ, フランクリン・アレン著(日経BP社、2007年)

ファイナンスは興味ないからといって、読み飛ばさないでください。ここで書きたいのは分厚いテキストを読むことの重要性について。

MBAでは大学院から経営学部を学ぶ学生が多いことを踏まえ、同課程での入門レベルのテキストでは基礎から応用までが凝縮されています。ファイナンス以外の経営学分野に興味がある、という方は、同じような、英語が原著の分厚いテキストに是非チャレンジしてください。

本書は、長きに渡ってファイナンス分野のスタンダードになっています。多くの改訂を経て、説明の仕方、例題、練習問題など、かなり練り込まれたものになっています。

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『その数学が戦略を決める』(文春文庫 ; S3-1)
イアン・エアーズ著 ; 山形浩生訳(文藝春秋、2010年)

「ビッグデータ」という言葉がバズワードとなっています。厳密な定義はありませんが、私は、詳細なデータベースを利用し、統計処理を行うことにより、客観的な意思決定が可能になった、という風に解釈しています。本書では、正体な個票データベースを用いた企業の意思決定方法利用方法が紹介されています。近年ではPCの計算能力の向上もあり、大規模統計データの処理が容易になりました。

余談ですが、統計学の概念である中心極限定理が成り立つのであればデータセットが「ビッグ」であることは問題では無いはずです。つまらない流行り言葉に惑わされず、物事の本質を見る目を養ってください。

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『文学部唯野教授』岩波現代文庫 ; 文芸 ; 1)
筒井康隆著(岩波書店、2000年)

現実を解釈するのに、ミクロ経済学は有用なツールと考えられます。それ以外には、現代思想は依然として有用なツールだと考えられます。

本書は現代思想を教える大学文学部でのドタバタ物語であり、さらには現代思想の入門書です。

なお、物語部分では、アカデミズムの世界を風刺たっぷりに書かれていますが、本学部ではこのようなウェットな人間関係は、(私の知る限りでは)繰り広げられていないので、あしからず。

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『「いき」の構造 : 他二篇』(岩波文庫 ; 青-33-146-1)
九鬼周造著(岩波書店、2009年)

現代思想の話題になった所で、九鬼周造の同書を推薦します。日本に固有の概念である「いき」を言語化するという無粋な行為を精緻に行うことで、「粋」な論考が仕上がりました。

著者は当時のエリート層であり、ハイデガーにも認められた日本人です。論文に似つかない内容について、真摯に、丁寧に記述する様は、読んでいて楽しいものです。

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『東京大学のアルバート・アイラー : 東大ジャズ講義録』(文春文庫 ; き30-1, 2)
菊地成孔, 大谷能生著(文藝春秋、2009年)

A Tribe Called Questの言葉を借りるなら、「物事は常に回って (things go in cycles) 」おり、過去を知ることは将来を予測する上で重要です。そのため、自分なりに歴史を学び咀嚼することで自身の歴史観を持つ必要があります。

歴史書の代表として司馬遼太郎と塩野七生では手垢が付いているため、ここでは本書を推薦します。本書では、ジャズという音楽の一形態が、他の原始的な黒人音楽から発達し、クラシックやロックなどと刺激を与え合って、ある種の形態に落ち着いたのかが、分かりやすく書かれています。

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『小林秀雄初期文芸論集』 (岩波文庫 ; 緑-31-095-1)
小林秀雄著(岩波書店、1980年)

この著者に関しては、様々な意見があり、文体に関して批判が多いことも承知しています。物事に正面から向かい合うとき、私達は自然に、私たちの持っているツール(経済学や社会学、統計学など)や既存の価値観に頼ってしまします。それらから離れて、自分自身の目で物事を見ることは難しく、一筋縄では行かないものです。本書では、そのことについて、筆者が悩み、葛藤している様が読み取れて、また刺激になります。

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