14年度東アジア現地体験プログラム(中国)1

参加: 東洋研究学域 13名   日程: 2015年3月10日-18日 ( 広州・香港)

スケジュール:

10日 関西国際空港 ~ 香港 ~ 広州

11日 広東外語外貿大学にて中国語授業&現地企業訪問(天聞角川社)

12日 広東外大にて中国語授業&広州市内フィールドワーク

13日 広東市内フィールドワーク&在広州日本国総領事館での講演会

14日 広東外大の学生とフィールドトリップ(三水地区、バス移動)

15日 広州市内フィールドワーク

16日 広州 ~ 香港 ~ 香港市内フィールドワーク(文化)

17日 香港市内フィールドワーク(班別個別テーマ)

18日 香港 ~ 関西国際空港

体験レポ①

■広東外大での中国語授業 (みぎたさん 14入学)

  

広東外語外貿大学で現地の先生が行う中国語の語学授業を2日間受けました。

1時間目の授業は日本の大学より少し早い時間帯で始まります。

1人目の先生は英語で授業を行うので英語が苦手だった私は聞き取れるかはじめ不安でした。しかし簡単な英語で基礎から中国語の授業をしてくれるので分かりやすかったです。ジェスチャーや体を使った授業だったのでみんなとても楽しみながら学ぶことができました。またこの中国語の単語は英語ではこういう単語で訳すのかなどと新鮮でした。

2人目の先生は日本語で授業を行い日常会話や長文の自己紹介のやり方などを教わりました。最後はみんなで中国の有名なポンヨウという歌を全員で歌いました。発音に苦戦しましたが、先生から何度も教わり歌うことができました。

2日間授業を受けて現地で中国語を学ぶ意欲が沸き、留学したいと考えるようになりました。


■現地企業訪問(天聞角川社 (よしおかさん 14入学 )

  

 今回、天聞角川に行くことが出来たのは、私にとって大変いい体験だったと思います。

 中国の中で「海賊版」のマンガが多く出回っていることを初めて知ったのは、何年も前のニュースでした。作者が正当な利益を得られず、かつ著作権を侵害する海賊版は、当時の私には大きな衝撃でした。実際に、中国の民営の書店は海賊版だらけだと聞き、改めて驚かされました。その海賊版をどうやって抑制していくのか、企業側の対策などを知ることが出来ました。いつか完全に海賊版が無くなる日が来ることを願います。

また、出版業界に対する規制が厳しい中国において、その規制に対する業界のリアルで真剣な意見や今後に対する話を聞くことで、中国におけるサブカルチャーの実情などが見えました。日本でも表現の自由を巡って訴訟などが起きていますが、それよりさらに複雑な中国の業界は、これからも声を上げ続けていくことが、規制緩和への一歩になるのだと思います。

日本と中国間には様々な摩擦がありますが、こうして実際に現地の声を知ることはとても重要なことだと改めて実感しました。


■広州市内フィールドワーク(Hコース (おうちさん 14入学 )

3月12日の午後は、2つのグループに分かれて広州市内のフィールドワークをおこないました。

  

 

私のグループは、西漢南越王墓博物館と三元宮、中山記念堂、北京路をめぐりました。

一番楽しかったのは、最初に行った西漢南越王墓博物館です。この博物館は、南越国二代目の王の墳丘跡に建てられた博物館で、1.4647万㎡の敷地面積に一万点あまりの文物が収蔵されているそうです。確かに、実際に博物館の中を見て回ると、広すぎて迷子になりそうでした。展示品も多くて、しかも興味深いものばかりでけっこう時間を取ってもらったのですが全然足りませんでした。なので、また機会があったらゆっくりと一つ一つの展示品を見に行きたいなと思うし、それくらいおもしろいところでした。その他の場所も、初めて見る物ばかりでわくわくしっぱなしでした。

半日、先生にいろいろと教えてもらいながらぶらぶらと市内を見て回れてとても楽しめました。

■広州市内フィールドワーク(Mコース)  (きしかわさん 14入学 )

 私たちのグループは、陳氏書院、上下九路、沙面、北京路の順に広州市内を見学して歩きました。

 陳氏書院は、広州各地の陳一族の中から優秀な子弟を選び教育する場として100年ほど前まで使われていた。陳一族を祭る祠でもあり、陳氏の隆盛ぶりを内外に示す立派な彫刻や美術品がみられた。

 上下九路では名産の双皮奶(ミルクプリン)を食べた。甘みが強く、しっかりしている。この辺りの店には梁啓超や康有為が訪れ政談を交わしたという。

 次に訪れた沙面は、風格ある西洋建築が並ぶ。西欧の入植地であり中国と西欧の文化が交わった場所。近くに623路という道があるが、この名は6/23の事件にちなむ。入植した日本人との衝突で、中国人警官が日本人を射殺した。こんな通りの名前からも想像力を膨らませる感性が必要だと思った。

 伝統的なあり方と海外の入植による先進文化の流入が隣り合わせに感じられる地で、そこには衝突や問題意識そして改革の息吹が混ざり合っていた。

 語学教育/留学プログラム 01 


■在広州日本国総領事館での講演会 (つつみさん 14入学)

 

在広州日本国総領事館で、広報文化の担当をしている相原さんによる講演会がありました。

相原さんからは在外交館の形態や役割の説明を受け、そのあと質疑応答の時間を設けてもらいました。質疑応答では相原さんの普段の仕事内容や、相原さんが外務省で働くことになった経緯やこれからしていけたらと思っていることなど、こういった特別な機会でないと聞くことのできないような話もしていただきました。海外で働くうえで何が大切か、という質問に自身の経験もふまえ「適応力」と応えた相原さんには、こんな女性になりたいと思わせる魅力が溢れていました。


■広東外大学生とのフィールドトリップ (くにひろさん 12入学 現代東アジア言語・文化専攻)

広東外語大の学生と一緒に、バスで仏山三水区に行きました。

隣の席に座った女の子はとても話しやすく、目的地に着くまでずっと話していました。実家のこと、趣味のこと、など、日本人の友人と話すことと何ら変わりない内容でした。「中国語の勉強」を超えて、純粋に楽しい時間でした。

三水区では祖廟と村に行き、中国ならではの祈りの形を感じました。長い螺旋状のお香がいくつもぶらさがり、煙が立ち込める中で膝をついて祈る人を見て、人の思いや祈りの強さの一端を見た思いでした。村では、人々の当時の生活がそのまま保存されているかのようで、お皿や衣服、人の写真も置かれていました。道には春節に爆竹でお祝いしたあとがあり、今でも祖先はこの場所に住み続けているという、村の人の考え方を感じました。

 

<その2> へつづく