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RBSセミナー・シンポジウム等

第13回RBSセミナー「人材の多様性を高めるために~『女性管理職30%』の実現に向けて~」

日時
2021年6月5日(土) 14:00~16:45
場所
オンライン開催(立命館大阪梅田キャンパス)
ゲスト講師

宮間 三奈子氏

大日本印刷株式会社 執行役員 人財開発部・ダイバーシティ推進室担当

ゲスト講師

増山 美佳氏

経営管理研究科客員教授、増山&Company合同会社代表、サントリー食品インターナショナル、コクヨ、鴻池運輸、メットライフ生命 各株式会社外部取締役

コーディネーター
立命館大学大学院経営管理研究科 
永田 稔教授

レポート

2021年6月5日(土)に第13回RBSセミナーをオンラインにて開催しました。
テーマは「人材の多様性を高めるために~『女性管理職30%』の実現に向けて~」です。

日本企業では、超少子高齢化とグローバル競争が前提であり、競争力を持つには多様な人材の活躍が求められています。本セミナーでは、このための第一歩として、女性の登用をテーマとしました。2015年に政府は「2020年までに女性管理職を30%に」という目標を掲げましたが、結局、実現することなく目標実現は先送りされ、結果として、日本の世界ジェンダーギャップ指数順位は、2020年には過去最低の121位へ後退しました。本セミナーでは、女性の登用を広く進めるためには、課題は何なのか、改善方法としてどのような手立てが有効なのか、企業にどのような価値と成果をもたらすのか、働く女性と男性などにどのような価値と意味があるのか等を通して、人材の多様性を高めることの意味を考えることにしました。

宮間三奈子氏

本セミナーでは、まず、大日本印刷株式会社 執行役員 人財開発部・ダイバーシティ推進室担当の宮間三奈子氏より、「DNPが取組むダイバーシティ推進と私のキャリア変遷」をテーマに、大日本印刷(DNP)の紹介、DNPのダイバーシティ&インクルージョン(D&I)、ご自身のキャリア変遷をお話された。DNPのD&Iでは、トップによるダイバーシティ宣言、ダイバーシティの歴史と基本方針、ジェンダーイクオリティやダイバーシティウィークの取り組みを説明され、ご自身のキャリア変遷では、入社後の個人と仕事を3つのステージに分けて話され、最後にキャリア観を紹介された。

増山美佳氏

続いて、立命館大学ビジネススクール客員教授で、増山&Company合同会社代表、サントリー食品インターナショナル、コクヨ、鴻池運輸、メットライフ生命 各外部取締役を務めている増山美佳氏より、「ガラスの天井をすり抜けよう!~女性活躍を取締役の窓から~」をテーマに、多様性(女性活躍)についての実態の把握と幸せなリーダ―として活躍できるヒントをお話された。多様性の実態把握では、日本のジェンダーギャップ、VUCA時代におけるSDGsやESGの浸透を紹介され、中核人材に女性が加わると良い効果がある事例をリスクマネジメントやイノベーションの視点から説明され、さらに、日本企業は何をしたらよいのかについて、具体的に指摘された。そして、幸せになるための7つのヒントをご自身の経験から、個人の生活と仕事をいかに楽しく両立させるかなどを話された。

講演に続いて、パネルディスカッションを永田稔コーディネーターの進行で行い、「女性管理職30%」実現を阻む3つの壁をどう乗り越えてゆくのかを、仕事・配属における「機会の不平等」、人事評価における「バイアスの存在」、リーダーシップにおける「バイアスの存在」の観点から、講演者の見解が示され、その内容を深めました。最後に、セミナー参加者から出された代表的な質問に対して、講演者2名が応え、セミナーは終了しました。

本セミナーでは、多様な価値を大切にしながら、キャリアにおける多様な選択肢をきちんと提示することが重要であることが浮き彫りになりました。また、キャリア変遷では、諦めないこと、理解されるように努めること、リーダーシップには多様なあり方があること、中核人材として輝いているか、楽しそうか、やりがいがあるかが大切であるなど、多くの示唆に富むお話をいただきました。