第116回ミニ企画展示 ミュージアムこの1てん「ガマ(壕のくらし)」

 

儀間比呂志 「ガマ(壕のくらし)」 1979年頃

 

 

▲展示の様子

 ▲関連書籍(国際平和メディア資料室)

開催趣旨

 6月23日は、沖縄県制定の慰霊の日で、沖縄戦犠牲者を慰さめ平和を祈る日です。
 これにあわせ、2016年度に当館へ寄贈された奥田豊氏の旧蔵コレクションから沖縄出身の儀間比呂志(1923-2017)が沖縄戦を描いた版画を展示します。
 ガマとは沖縄に点在する鍾乳洞や自然洞穴のことで、沖縄戦では日本軍の司令部や陣地、野戦病院、住民の避難壕として使われました。県民の12万人以上が犠牲となり、50万人以上が巻き込まれた戦闘では、逃げ場を失った人々がガマへ避難しました。しかし、ガマの中は十分な食料や医療品が手に入らない悪条件なうえ、日本軍の兵士に追い出されることがあるなど決して安全な避難場所とは言えませんでした。
 本展をとおして、旧蔵者奥田氏と作者儀間氏の沖縄戦への思いを受けとめ、あらためて平和について考えるきっかけとなることを願い開催します。

 

儀間比呂志(1923-2017)
<略歴>
1923年3月 、沖縄県那覇市生まれ。
1946年から6年間、大阪市美術研究所で油絵を研修。その後、上野誠氏に木版画を学び、
大阪を活 動の拠点とした。
1956年から定期的に沖縄での取材を行い、作品を制作した。同年、自身初の個展を沖縄で開き、以後、全国のギャラリーで多くの個展を開催した。
1959年、行動美術展新人賞を受賞し、会友を経て、1972年まで行動美術協会会員。
1970年頃から木版画に専念。住民の戦争体験証言記録との出会いからライフワークとしてきた沖縄戦版画シリーズは、『戦がやってきた 沖縄戦版画集』(中山良男・文、集英社、1979年)、『沖縄の悲哭』(牧港篤三・詩、集英社、1982年)、『沖縄戦―朝鮮人軍夫と従軍慰安婦』(清風堂書店、1995年)などの書籍で発表。
2009年、ロックバンドMONGOL800と『詩画集 琉球愛歌』(ハイウェーブ)を合作。
2006年から沖縄に活動の拠点を移していたが、90歳を過ぎて大阪に戻り、2017年4月11日、肺炎のため94歳で亡くなった。
絵本作家としても知られ、沖縄に伝わる民話のほか戦争やハンセン病差別などをテーマに創作絵本も手がけた。これまでに自費出版も含め、10冊以上の版画集と30冊以上の絵本を出版した。

 

<主な受賞歴>
1959年 行動美術展新人賞(油絵)、朝日新人展入選(「蛇皮線」)
1966年 行動美術展会友賞
1971年 毎日出版文化賞(絵本『ふなひき太良』)
1976年 サンケイ児童出版文化賞(創作絵本『鉄の子カナヒル』)
1980年 沖縄タイムス芸術選賞絵画部門大賞(版画集『戦がやってきた』)
2003年 日本の鉄道―パブリックアート大賞特別賞
           (ゆいレール那覇空港駅ステンドグラス「万国津梁の民」)
2012年 琉球新報賞(文化・芸術功労)、沖縄県功労者(文化・学術部門)


会 期 2018年6月2日(土)~7月1日(日)
会 場 立命館大学国際平和ミュージアム 2階常設展示室内
時 間 9:30~16:30(入館は16:00まで)
休館日 月曜日
参観料

大人400円(350円)、中・高生300円(250円)、小学生200円(150円)

※ 地階受付・1階特別展受付で見学資料費をお支払いください。
※ ( ) 内は20名以上の団体料金です。
※立命館で学ぶ人、働く人は無料です。

主 催 立命館大学国際平和ミュージアム

 

 

 

 

 


ページの先頭へ