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政策科学部における一年間の研究成果を発表するアカデミック・フェスタの開催

政策科学部では各回生の優秀者が一同に会して一年間の研究成果を発表するアカデミック・フェスタを毎年12月におこなっています。今年度は、12月20日(金)に以学館1号ホールで開催されました。この研究発表会は、3・4回生ゼミである専門演習における優秀者が発表を競い合うPS Exposition(Policy Science Exposition) 本選と1回生ゼミである基礎演習、英語基準の1回生ゼミであるIntroduction to Academic Research、2回生ゼミである研究入門フォーラムの最優秀賞受賞者による発表から構成されています。

当日は、まずPS Exposition本選からおこなわれました。今年度は6組が、各ゼミで実施される第1次予選(~11月15日)、各ゼミ代表者が公共政策系分科会、環境開発系分科会、社会マネジメント系分科会に分かれて競い合う第2次予選(12月10日)を経て出場しました。

今年度の本選出場者の研究テーマは、タイムリーというより、日本が長期に渡って抱える課題を多角的な視野から分析した研究テーマ、次世代を担う当事者として未来志向的な方策を考察した研究テーマを設定する出場者が目立ちました。これは政策科学部の学際的な特色をよく表しています。そのなかで優勝したのは、「京都市における袋路の実態と経年変化」という研究テーマで発表したグループです。建造物の老朽化が進む袋路の現状と変化を既存のデータやフィールド調査を通して特性別に整理・評価し、袋路環境改善のための政策を考察した研究で、グループワークならではの成果が表れていました。

準優勝者の研究テーマは「国からの地方公務員給与削減要請に対する地方の対応の検証」です。地方公共団体の政策行動を給与削減要請に対する異なる対応から要因分析した意欲的な研究です。さらに、「植物工場普及における我が国の政策の在り方と方向性 -国際的競争力の確保に向けて-」「日中関係の改善に向けての青少年交流事業の強化について -独仏青少年事務所の事例から-」「持続可能な創造都市 -飯田モデルの意義と展開-」「京都府におけるサービス付き高齢者向け住宅の調査」と続きました。

次に1・2回生の最優秀賞受賞者による発表がおこなわれました。1回生の基礎演習リサーチ・プロポーザル・コンペティション最優秀賞受賞者の発表は「カンボジアにおける社会関係資本に基づく教育推進機関導入の実現可能性」で、今後のフィールド調査につなげることでより高い研究成果を期待できそうな研究です。また、政策科学部では英語基準のCRPS専攻(Community and Regional Policy Studies Major)がこの9月より開設されましたが、1回生ゼミであるIntroduction to Academic ResearchのResearch Proposal Competition最優秀賞受賞者は “Internationalization of Japanese Corporations”という研究テーマで発表しました。発表・質疑応答はすべて英語でおこなわれ、会場は日英両言語による研究発表が以前から当たり前だったような空気に包まれました。最後に、2回生の研究入門フォーラム最優秀プロジェクトが、グループワーク、フィールドワークを最大限に活かして商店街の衰退原因を分析した「龍安寺参道商店街の活性化にむけて」と題する発表をおこないました。

アカデミック・フェスタは今回で9回目ですが、企画・運営は学生スタッフによっておこなわれています。これもまた政策科学部の実践による学びの一環といえるでしょう。閉会後には、学年を超えた交流を通じて自分の学びを客観視し、新たな知見を得ることの大切さに気付いたという参加者からの感想もありました。

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