名誉研究センター長・研究センター長あいさつ

  • 稲盛和夫

    公益財団法人 稲盛財団理事長
    京セラ株式会社名誉会長
    稲盛和夫

    私は27歳の時に、支援して下さる方々のおかげで、京セラを創業させていただいて以来、「人間として何が正しいか」を判断基準として、「利他の心」をベースとする経営哲学を堅持し、従業員とともに共有して、会社を経営してまいりました。

    その結果、現在、京セラは、グローバルに事業を展開するエレクトロニクス・メーカーへと成長し、創業以来、半世紀以上にわたり、黒字経営を続けております。また、1984年に徒手空拳で創業した第二電電(現KDDI)も、現在では、日本を代表する総合通信事業者となるまでに成長しています。

    2010年には、日本政府の依頼により、経営破綻した日本航空を再建するために、私は会長に就任いたしました。その日本航空も、2年7か月という短期間で再上場を果たし、世界の航空業界において屈指の高収益企業に生まれ変わっております。

    幸運なことに、現在では3社とも、日本を代表する企業として高く評価されておりますが、このような事例を見ましても、「利他の心」にもとづく経営哲学をベースとして会社を経営することが、会社の成長・発展の鍵となることが、ご理解いただけるのではないかと考えております。

    今回、立命館大学が開設されます「稲盛経営哲学研究センター」は、このような「利他の心」にもとづく私の経営哲学を様々な学術分野の視点から研究を重ね、その理念の体得につながる教育プログラムを開発し、世界に向けて発信することを目的としております。本研究センターで行われます研究・教育活動が、人類、社会の進歩発展に貢献していくことを心より祈念しております。

    名誉研究センター長
    稲盛 和夫

  • 青山 敦

    立命館大学テクノロジー
    ・マネジメント研究科教授
    青山 敦

    このたび、立命館大学は稲盛和夫氏の協力を得て、稲盛経営哲学研究センターを開設することとなりました。

    本研究センターの支柱は、世界的経営者である稲盛和夫氏の経営哲学です。稲盛和夫氏の「利他の心」や「人間として何が正しいのか」を基とする経営哲学は、経営の枠を超え、哲学の枠を超えた実践として、人々の指針となっています。

    現代文明は、地球環境悪化、頻発する紛争、拡大する格差、荒廃する道徳倫理など、危機的状況にあります。その根底にあるのが、際限がなく抑制されることのない欲望ではないでしょうか。私達は、稲盛経営哲学の「利他の心」が、この危機の克服に、大きな示唆を与えると考えています。

    本研究センターは、稲盛経営哲学を、哲学・心理学・経営学など多様な学術的見地から研究し、普遍化し、活用できるように一般化します。さらに、稲盛経営哲学の体得につながる教育プログラムを研究・開発します。そのプログラムは、立命館をはじめとする小・中・高・大・社会人への教育として実践されることになります。そして、このような研究・教育活動成果を世界に発信して、人類社会の進歩発展に貢献してまいります。

    皆様のご支援をたまわりますようお願い申し上げます。

    研究センター長
    青山 敦


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