「流れ」を意識した
スマートな仕事の仕方

#032
経営管理研究科 准教授小菅 竜介

 スウェーデン社会が取り入れている日本生まれの仕事の考え方があります。「リーン生産方式」と呼ばれるそれは、が求めるものを見定め、それを中心にすえて「ムリ・ムダ・ムラ」を減らすというものです。より少ない資源でより大きい価値を生み出す、つまり、「価値の流れをつくる」のです。

 「価値の流れ」をつくるということは、基本的な仕事の仕方を変えることです。スウェーデンでは病院で患者が搬送されてから退院するまでのプロセスに流れをつくることで、救急病棟での待ち時間を減らし、全体的な受け入れ人数を増加させることができました。また、乳がん検診プロセスを見直し、以前は受信から診断結果がでるまでに40日以上かかっていたのが、リーンにより2時間で診断結果がでるようになった例もあります。スウェーデンの職場では、毎日のように改善ミーティングが行われています。

 このような「スウェーデン型リーン」とでも呼ぶべき仕事の仕方を、今度は日本が学ぶべきです。少子高齢化は、経済を支える労働の担い手の減少にもつながります。高い生産性を追及するためには、「流れ」を意識したスマートな仕事の仕方を確立し、工夫を重ねていくことが重要です。

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