世界には5万軒を超える日本食レストランがあるといわれますが、残念ながら、その経営者の多くは、日本人ではありません。日本人はおいしいものを作る技術は持っていても、「食」のビジネスを成功させるという面では、世界から大きく遅れています。「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、世界でも「和食」が注目される今、「食ビジネス」は日本経済を発展させる重要なエンジンといえます。そのために必要なのが、「マネジメント」なのです。
この研究では、人がどのようなときに何を食べるのかを解明する基礎を築き、食に関する文化、ビジネス、科学に精通した人を育てるプログラムを開発しています。
そのために、いろいろな分野の専門家を集めて、世界に先駆けた「食のデータベース」を作ることを目指しています。日本や世界の食べものやレシピ、食に関わる歴史や文化などの情報も含めた総合的なデータベースです。このデータベースは、今後の学術研究の土台になるだけでなく、例えば古くからある高級飲食店の味を正確に再現したり、人工知能を使って世界の食品販売戦略に役立てるなど、将来の食ビジネスを支えるものになりうるのです。