人間の子どもと同じように
言葉や概念を獲得していく人工知能

#053
情報理工学部 教授谷口 忠大[写真左]
情報理工学部 講師萩原 良信[写真右]

 「コップを取ってきて」と家族に言われたら、ほとんどの人はそれを持ってくることができます。では、ロボットに同じことができるでしょうか。この研究は、人とのコミュニケーションから学習する家庭用ロボットの開発をしています。開発中の「それぞれの家のルールを学び、その場に応じて支援するロボット」は、カメラやマイク、距離センサで外の世界を認識し、得た情報から物の「場所」を学習していきます。実験では、物が置かれている場所を予測して、頼まれた物を運ぶことに成功しました。

 今、コンピュータのおかげで機械学習(AI・人工知能がデータをして、自分でルールなどを学習すること)が発達しています。しかし、あらかじめ大量のデータを分析させても、データにない「人の家のルール」には対応できません。だからこそ、人間の子どもが言葉を一つずつ覚えていくように知識をつける次世代人工知能が必要なのです。それには、人間についての理解も十分でなければいけません。つまり、ロボットの開発を通じて人間の本質に迫ることもできるのです。

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