障がい者も健常者も共に楽しめる
スポーツ施設とは

#017
産業社会学部 教授金山 千広

 近年パラリンピックへの人々の関心が高まり、障がい者スポーツがマスメディアに取り上げられることも多くなりました。しかし、より身近に目を向けた時、障がい者と健常者が一緒にスポーツを楽しむ機会はあるでしょうか。障がい者と健常者が、「共に」スポーツを楽しむにはどうすればよいでしょうか。

 日本における障がい者スポーツは、「」から「インテグレーション()」、さらに「インクルージョン()」へと変遷してきました。インテグレーションは、各人の障がいや個別性といった「違い」に着目し、用具やルールによってスポーツに適応できない人を適応できるようにするものです。それに対し、「違い」よりも「共通項」を見出そうとするのが「インクルージョン」です。障がいがある人もない人も「誰もが」使える用具やルールを考えていこうとするものです。これは建物における「バリアフリー」から「ユニバーサルデザイン」へのに重なります。今後は、障がい者も「(カスタマー)」になって、スポーツの機会への選択肢を増やしていくことも大切でしょう。障がい者の声を拾い上げインクルーシブな施設づくりにつなげたいと考えています。

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