学部長挨拶

IoT(Internet of Things)やAI(Artificial Intelligence)などの最新テクノロジーを活用し、物流コストの低減と過疎地への流通サービスを実現する「ドローン宅配」、高齢化にともなう農業従事者の減少や栽培技術伝承の困難性を克服する自動走行農業トラクターをはじめとした「スマート農業」、また通院しなくてもタブレットや専門端末で診療が受けられる「遠隔医療」など、私たちは、「超スマート社会」と呼ばれる「Society 5.0」時代を迎えました。私たちの身近な生活シーンでもスマートフォンは欠かせないものとなり、人と人をつなぐだけでなく、人の暮らしをもつなぐ技術革新やツールから逃れることができないのかも知れませんが、私たちは、少々、「つながりすぎた(over-connected)社会」に身を置きすぎているようにも感じます。

It is not the strongest of the species that survives, nor the most intelligent that survives. It is the one that is most adaptable to change.
最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることができるのは、変化できる者である。

これは、周知の通り、チャールズ・ダーウィンの有名な言葉です。ただ、私たちは、与えられた環境の中で適応的に振る舞い、過ごすことが私たちにとっての幸せなのでしょうか?日本を代表する生態学者の今西(1976)は、生存するために環境に適応し、より適した個体が選択され、変化して残っていくのではなく、生物には目的性や主体性があり、「種は、環境に適応するために、みずからを作りかえようとすることによって新しい種に変わっていく」という「主体性の進化論」という独自の主張をしました。
「学び」は、新たに力を身につけ、その身につけた力を使い、新たな世界を広げるという人間の目的的かつ主体的な行為です。言い換えれば、大学は、与えられた環境で受動的に学ぶところではなく、学びを進める皆さん自身の目的性や主体性がより問われる場所です。常識にとらわれることなく、また失敗を恐れず、既存の枠組みや既成概念を打ち破り、人々の健康と幸福、そして世界の平和に貢献しうるスポーツ健康科学を我々とともに進化させましょう。
「挑戦をもっと自由に」、「スポーツ健康科学をもっと自由に」、スポーツ健康科学の新しい未来を切り拓こうとする皆さんと出逢えることを楽しみにしています。

スポーツ健康科学部 学部長 長積 仁



スポーツと健康を科学的・先進的に学ぶ