ニュース

本研究科博士課程前期課程2回生松村哲平さんの研究が「International Journal of Sport Nutrition & Exercise Metabolism」に原著論文として掲載されることが決定しました。

本研究科博士課程前期課程2回生松村哲平さんの研究が「International Journal of Sport Nutrition & Exercise Metabolism」に原著論文として掲載されることが決定しました。

スポーツ健康科学研究科博士課程前期課程2回生 松村哲平さんがスポーツ健康科学部 教授 橋本健志先生、同教授 伊坂忠夫先生、同教授 長野明紀先生、同教授 家光素行先生、同教授 篠原靖司先生、早稲田大学スポーツ科学部 講師 塚本敏人先生、スポーツ健康科学研究科博士課程後期課程1回生 野々山隼弥さん、同研究科博士課程前期課程2回生 福澤和志さん、同博士課程前期課程2回生 中河和也さん、スポーツ健康科学部卒業生(現パデュー大学健康人間科学部) 友尾圭吾さん、同卒業生 髙村悠希さんと共同で取り組まれた研究論文「Ergogenic effects of very low to moderate doses of caffeine on vertical jump performance」が、「International Journal of Sport Nutrition & Exercise Metabolism」に原著論文として掲載されることが決定しました。

20230801論文掲載
https://doi.org/10.1123/ijsnem.2023-0061

体重1 kgあたり3~6 mg(mg/kg)の中用量程度のカフェイン摂取は、一時的に様々な運動パフォーマンスを向上させる効果を有します(Matsumura et al. Med Sci Sports Exerc. 2023; Stadheim et al. Med Sci Sports Exerc. 2014; etc.)。その一方、安全面や実用面の観点から、より低用量(0.9~3 mg/kg)のカフェイン摂取の運動パフォーマンス増加効果が議論されています(Grgic. Nutrition. 2022; Spriet. Sports Med. 2014)。より低用量のカフェインの有効性を議論する上で、「より大きい運動パフォーマンス増加効果を得るためには、カフェインの摂取用量を増やす必要があるのか」が重要な観点となります。様々な競技スポーツにおける重要な動作の一つであるアスリートの跳躍パフォーマンスに焦点を当てると、この観点は不明であり、超低用量~中用量を含む広範囲の用量を対象とした比較検討が必要です。

そこで本研究では、超低用量(1 mg/kg)から学術的に効果的とされる中用量程度(3~6 mg/kg)を含む幅広い用量のカフェインの、垂直跳びの跳躍パフォーマンスに対する急性効果を検討しました。その結果、反動動作を伴う垂直跳びであるカウンタームーブメントジャンプにおいて、1 mg/kg、3 mg/kg、6 mg/kgのカフェイン摂取による跳躍高の増加が確認されました。さらに、これらの異なるカフェインの摂取用量間に跳躍高の変化は見られませんでした。これらの結果から、超低用量(1 mg/kg)であっても、カフェインが垂直跳びの跳躍パフォーマンスを向上させ、その向上効果は超低用量~中用量の間で摂取用量に依存しないことが示唆されました。本研究は、跳躍パフォーマンスを向上させるための、安全かつより実用性の高い方略として超低用量のカフェインの応用可能性を示す、学術界と競技スポーツ現場を繋ぐ意義深い知見となります。

戻る