2009年4月4日 (第2890回)
デジタル・ヒューマニティーズとは何か?
文学部教授 赤間 亮
情報理工学部教授 八村 広三郎
情報理工学部教授 八村 広三郎
歴史、文化、芸術などの人文科学分野でも、コンピュータは広く使われるようになっています。21世紀に入って、さらにこれを加速し、情報と通信の技術、すなわち、ウエブなどの情報基盤をより積極的に活用し、研究資料のデジタル化、公開と共有、ネットを通じての全世界的な研究交流などを行おうという「デジタル・ヒューマニティーズ」の活動が、欧米から沸き起こってきています。
立命館大学では「アート・リサーチセンター」でいままでに培ってきた、「デジタル・アーカイブ」によるさまざまな研究資料の蓄積、および、「文」と「理」の連携研究の実績をふまえ、日本でいち早く、この「デジタル・ヒューマニティーズ」の確立を目指して、グローバルCOEプログラムでの教育・研究活動を開始しました。
本講座では、八村が、情報科学・技術と人文学とのいままでの係わり合いの歴史を振り返るとともに、それとは一線を画すものとしての「デジタル・ヒューマニティーズ」が狙う姿について述べます。また、赤間は、人文科学の中でも、もっとも情報学から遠いと思われてきた文学や芸術学分野におけるデジタル技術の活用事例を紹介し、実際にWEBデータベースを操作しながら、具体的に作品の鑑賞を行います。