2010年9月4日 (第2948回)

概説:「法と心理学」及び「司法臨床」の展開と可能性

文学部 教授 R-GIRO「法と心理学」研究拠点の創成リーダー サトウ タツヤ

 立命館大学では、法学と心理学の教員・大学院生によって、「法と心理学」及び「司法臨床」の研究と実践が進められています。 このプロジェクトの名称は「法と心理学研究拠点の創成」というものであり、国内では一、二を争う規模に成長しています。 米・豪・韓などの海外拠点との連携も進んでいます。

 初回の講演では、「法と心理学」及び「司法臨床」の展開と可能性について、本学の研究チームの成果をもとに幅広く概説する予定です。 具体的には、目撃証言の正確性・虚偽自白の作られ方・ポリグラフなど、捜査にかかわる法と心理学の例、 法曹養成教育における法と心理の協同の例(リーガルクリニック)、非行少年など司法臨床の現場、裁判員裁判における分かりやすい裁判のための工夫、 加害者臨床・被害者臨床、公平感や道徳性の発達など、現在の「法と心理学」に関する問題を包括的に解説します。

 なお、2010年10月16/17には、法と心理学会第11回大会を開催する予定です。一般公開企画もあるので是非おいでください。

聴講者の感想

 私は他大学の心理学部の3回生です。今日の講義はとても興味深かったです。心理学的に「罰は人を変えない」、だとしたら、刑罰や処罰は、一体何のために、誰のためにあるのだろうと思いました。 犯罪者に罰を与えることで安心したり満足したいという社会の人々の心理もあるのかもしれません。それが自分自身にもあるということを忘れてはいけないと思いました。