2011年9月17日 (第2991回)

大震災と臨床心理 ―東日本大震災における支援活動経験から―

応用人間科学研究科長 荒木 穂積
応用人間科学研究科 教授 徳田 完二

福島の高校生たちのこと
 立命館大学大学院応用人間科学研究科 徳田完二

 五月半ば過ぎの一週間ほど、東日本大震災の支援活動に参加した。京都府から派遣された、教員中心の「教育活動支援チーム」にスクールカウンセラーという役割で加わったのだった。派遣先は福島県西部に位置する会津若松市とその周辺で、そこには福島第一原子力発電所の近くから避難してきた人たちの受け入れ先がある。

 支援チームのメンバーはそれぞれ、小学校、中学校、高校に分かれて入り、学校側のニーズを聞き取りながら、特別支援学級で担任教員の補助をするとか、生徒と面談をするとかいった活動をした。

 一番印象に残ったことの一つは、面談をした高校生たちがみな、とても真摯で誠実そうな若者だったことである。苦労の多い生活を強いられながら、粛々と学校生活を送ろうとしている彼らの姿勢は感動的ですらあった。思わず居住まいを正したくなるというか、いい加減な気持ちで関わることはこの若者たちにとって失礼だと感じた。そんな若者たちが暮らす東北が少しでも早く復興することを願わずにはいられない。

聴講者の感想

 徳田先生の震災・原発被災地での臨床経験を綴った資料を基にして展開された講義には迫力があり、心理学を学ぶ私にとってはとても新鮮で大変参考になりました。今後とも機会があれば先生の講座に足を運びたいと思います。