2012年2月25日 (第3005回)
亀岡クールベジタブル -炭による農地炭素貯留野菜で地域に活力を!-
立命館大学衣笠総合研究機構 客員教授 柴田 晃
昨今、経済環境の悪化により、企業や消費者が以前ほど環境に目が行かなくなった感がします。ただし、一方では、年々、地球温暖化ガスは上昇し、地球規模で考えると大規模な気象変動は確実に増えているように感じます。化石燃料(石油・石炭・天然ガス等)の使用削減は叫ばれているものの、世界的には年々増えていっているのが現状であり、大きな実効性のある削減手段はなかなかないのが実情です。また、ボランティアによる植林運動も限界があり、コストと善意の限界を感じます。
地域のバイオマスを使った炭による農地炭素貯留・林地炭素貯留は誰にでもできる二酸化炭素削減手段であり、植物に対して非常に重要な働きをします。この活動は立命館大学の地域情報研究センターが今世界の最先端を走っている事業であり、人類に対して大きな福音を与えるかもしれない重要な実証研究です。
聴講者の感想
大変興味深い内容でした。確かに、最大の懸案事項であるバイオ炭の認定(CO2削減)がうまくいかないことには、どうにも動かないシステムではありますが、森林の有効利用は重大な課題ゆえ、今後の展開が楽しみです。
バイオ炭の生産者と農作物生産者が一体化したら、生産における問題点が1つ解決する気がします。共同体として協力して炭をつくり、広い農地に多くの炭を利用することができれば、スムーズにいくのでは、と思います。本日の内容は、高校の教員をしていますので、授業で紹介してみたいと思います。ありがとうございました。