2013年6月15日 (第3059回)

地理学・デジタル人文学からの「京都学」と地域連携

立命館大学文学部 准教授 河角 龍典

 人文学の三領域(文学・歴史学・地理学)のうち地理学を軸として研究を行い、かつ情報技術(特に地理情報システム)を研究に適用することによって、どのような学術的成果が期待できるのか。また、その研究成果をいかに地域に還元することができるのか。バーチャル平安京という3次元デジタル地図の構築やその利活用、宇多野ユースホステルとの連携をモデルとして、京都学のあり方について考えます。

 平安京の風景をコンピューター上に3次元で再現することによって、平安京の都市計画と山並みに関する新しい知見が得られました。平安宮大極殿の東西軸、南北軸の延長上に山の頂が見える。このような人文学の研究から得られた地域資源をまちあるきに展開していく過程やその意義について紹介します。また、地理学・デジタル人文学のゼミナールに所属する学生が捉えた京都の地域的な課題や京都学プログラムにおける地域連携の取り組みについても紹介しつつ、京都学の地域貢献および学術への貢献の可能性について展望します。