2014年3月1日 (第3085回)

クオリティ・オブ・ライフとはなにか?―「ライフ」の質を考える―

立命館大学衣笠総合研究機構 専門研究員 福田 茉莉

 私は,心理学の立場から,医療におけるクオリティ・オブ・ライフ(生活の質:Quality of Life)概念の役割とその評価法に関する研究に取り組んでいます。クオリティ・オブ・ライフとは,一般的には,「ある人物がどのくらい自分らしい生活を送り,人生に幸福を感じているのかを尺度としてとらえる概念」といわれています。本講座では,医療,看護,介護領域におけるクオリティ・オブ・ライフ研究について,その有用性と課題点を明らかにします。さらに,当事者の経験や語りに基づく個人の生活の質評価法として,個人の生活の質評価法(Schedule for the Evaluation of Individual Quality of Life: SEIQOL )をご紹介します。

 これらの研究紹介や事例紹介を通して,自分自身の生活や人生を振り返り,自分自身が生きる上で大切にしたいことや生活を豊かにするものが何かを考えてみましょう。