2016年7月9日 (第3171回)

ラテンアメリカの麻薬産業

立命館大学 国際関係学部 准教授 福海 さやか

 麻薬密輸が「非伝統的脅威」として世界で認められて10年ちょっとが経ちました。これは麻薬が単なる犯罪ではなく、「安全保障上の脅威」だと認められていることを意味します。得てして、麻薬問題は使うヒト・売るヒトの個人の犯罪として着目されがちです。しかし、今回は麻薬産業を内包する国の問題として捉えます。特に麻薬産業の中でもラテンアメリカを産地とするコカイン産業について政治や経済、国際関係に着目します。巨大な違法産業を包括する国はどのような状態にあり、どのような影響を受けているのでしょうか。麻薬カルテルとゲリラ組織、政治家や軍・警察・司法関係者などとの関わり方、最大貿易相手国のアメリカとラテンアメリカンの国の関係、など麻薬産業に関わる色々なアクターや国家機能に少しずつ触れて話をすることが出来ればと思います。