2017年5月13日 (第3202回)

共に遊び学ぶためのゲーム~協調的シリアスゲームの可能性

立命館大学政策科学部 教授 稲葉光行

 コンピュータゲーム(ゲーム)を長い時間遊ぶことは、子どもの社会性や感情面での発達にも悪い影響を与えるという話を耳にすることがあります。一方で、ゲームを遊ぶことで認知能力や社会性が高まるという研究も報告されています。ゲームはプレイヤーの心理にどのような影響を与えるのか、またゲームをどのように遊び、どのように付き合っていけばよいのかという問題は、社会生活でも遊びでもICTが使われている現代社会に生きる私達が考えるべき重要なテーマです。

  今回の講座では、「共に遊び学ぶためのゲーム」というタイトルを掲げました。ある海外の研究によれば、親と子どもがゲームを「共に遊ぶ」ことで、子どもの成長に良い影響があるということも報告されています。また講師らは、「共に遊び学ぶ」ためのゲーム(協調的シリアスゲーム)の制作と、それを用いた効果的な遊びの方法について研究しています。そしてゲームによって「共に遊び学ぶ」ことによって、従来型の教育スタイルでは難しかった動的で主体的な学びが生まれる可能性がわかってきています。

 このようなゲームに関する最新の研究成果を紹介しつつ、ゲームとの正しい付き合い方について皆様と共に考えたいと思います。