2018年6月23日 (第3245回)

映画と軍部独裁:朴正熙政権下の韓国映画

立命館大学 非常勤講師 張 惠英

 「韓国映画、と聞いて思いつくイメージは何ですか?」この質問に対する回答は人それぞれでしょう。ある人にとってそれは『冬のソナタ』(これは映画ではありませんが)のようなメロドラマかもしれませんし、またある人にとっては『オールド・ボーイ』のようなアクション映画(あるいはサスペンス映画)かもしれません。北朝鮮と韓国の対立が背景として描き出される『シュリ』や『トンマッコルへようこそ』のような作品を思いつく人も多いでしょう。しかし韓国映画がこのような多様な作品を作り出すようになったのは、実はごく最近のことです。韓国映画は、いつから今の「韓国映画」になったのでしょうか?その背景には何があったのでしょうか? この講座では韓国映画の成り立ちとその歴史を探っていきます。韓国では、政治が映画界に常に無視できない影響を及ぼしてきました。韓国の場合、映画は社会を映す鏡であると同時に、権力によるプロパガンダの材料としても利用されてきたのです。映画を見ているだけでは分からない複雑な背景を読み解くことで、韓国映画の鑑賞をより味わい深く、また韓国の歴史に対する理解をより深いものにする。これがこの講座の狙いです。