2021年12月11日(第3347回)

観光客と市民の視点からみた歴史都市防災の必要性

立命館大学理工学部 教授 小川 圭一

 災害から「守りたいもの」「守るべきもの」には、市民の人命、財産、社会を支えるインフラや産業基盤といった、さまざまなものがあります。その中で「文化遺産」は、どのくらいの重要性があるのでしょうか? 歴史都市の防災計画において「文化遺産防災」を明確に位置付けるためには、災害から文化遺産を守ること、それに対して費用や労力を掛けることに対して、人々が合意することが必要になります。そのためには、文化遺産防災や歴史都市防災の必要性をできるだけ客観的に、数値として示すことが必要です。それでは、文化遺産や歴史都市の価値をどうやって数値として表すのでしょうか? 本講座では、観光客の行動や市民の意識、マスメディアの報道内容などをもとに、環境価値の計測をおこなう方法を用いて、観光客や市民の視点からみた文化遺産や歴史都市の価値を計測しようとする研究についてお話しします。文化遺産や歴史都市に限らず、身近にあるものの「数値にできない価値」をどうやって数値にしようとするのか、またその方法にはどんな問題点があるのか、皆さんで考えてみましょう。