2022年4月9日(第3355回)

ベトナムと障害者ー平和・包摂・結束の視点から

立命館大学産業社会学部 教授 黒田 学

 東南アジアに位置するベトナムは、現在では著しい経済成長を果たしており、コロナ禍前には多くの観光客が訪れました。しかしながら、ベトナムが独立と国家統一を果たすまでには長い年月が必要でした。ベトナム戦争時には、化学兵器である枯れ葉剤が散布されるなど、兵士だけでなく子どもや市民が戦争被害の犠牲者となりました。ベトナム政府によれば、枯葉剤被害者は300 万人、そのうち子どもは30万人と言われています。本講座では、1994年からほぼ毎年ベトナムに足繁く通い、研究調査や発表、交流、学生引率等、様々な活動を通じて考えてきたことをお伝えします。ベトナムの障害児教育・福祉の展開と課題について、平和・包摂・結束の視点からベトナムの関係者による取り組みを交えて考えます。